EVでは自動アップデートが当たり前になる
アップデートの内容は、bZ4Xとソルテラが市場導入された当初から指摘されていた点であった。国内外を問わず数多くの要望があったことから、発売から1年となるこの機会に改善が実施されることになった。主に制御の修正で済む内容であるため、素早い実施が可能になったといえる。
一方、今回の内容はいずれも市販EVでは標準的に備わった性能や機能でありながら、トヨタでは想定されていなかった要件といえる。しかし今回、素早く対応されたことで、EVでは当然と考えられる性能が満たされていくことだろう。
bZ4Xのアップデートの内容は、レクサスのEVでも実施されることになる。
こうしたアップデートの考えは、EV専用メーカーである米国のテスラが何年も前から実施し、「購入したEVはいつでも最新の性能を持てる」とした。EVは電気だけで走るうえ、バッテリー管理のため通信機能を自車で持つので、アップデートをよりしやすい商品性がある。また、テスラはクラウドからのダウンロードでアップデートできる手法をいち早く実施しており、OTA(オーバー・ザ・エア)と呼ばれ、他社へも急速に普及しはじめている。
エンジン車やハイブリッド車でも、電子制御された内容については、通信機さえ備えていればOTAを活かしていくことができる。パーソナルコンピュータやスマートフォンなどと同じように、性能や機能の向上、あるいは制御上の不備などに対しても、アップデートは電化の時代の当たり前の方策になっていくだろう。