フィーリングが大きく変わることも
軽量な車重
電動化する場合、大きくても小さくてもモーター用のバッテリーを搭載しなければならない。そうするとどうしても車重は重たくなってしまう。走りが好きなクルマ好きの間では軽量なモデルが好まれがちだが、電動化が進むと軽いクルマを作るのは至難の業となってくる。
また、電動化以外にも衝突安全や義務化された運転支援装備など、現代のクルマで必須とされる装備は昔に比べてかなり増えた。それらを装備しなければいけないだけでも、昔ほど軽いクルマを作るのは難しい。
クルマが軽いに越したことはない。軽さは走る、曲がる、止まるといった基本性能にも大きく貢献する。さらに燃費性能だって向上するし、ブレーキやタイヤの消耗も少ないためエコと言えるだろう。自動車メーカーもクルマを軽くしたいと強く思っているのだ。さまざまな厳しい条件のなかで、自動車メーカーはクルマを軽くする努力をしている。
自然なブレーキタッチ
現代の電動化されたクルマたちのほとんどに回生ブレーキが採用されている。この回生ブレーキが自然なドライブフィーリングを求めるクルマ好きにとっては足かせとなる存在だ。ブレーキの踏み始めやリリース時の自然でリニアなフィーリングは回生ブレーキのないクルマに絶対敵わない。構造上どうしても超えられない壁と言えるだろう。
長年ハイブリッドを開発している日本車は近年でこそ自然な制御になってきたが、欧州車ではまだ不自然なブレーキタッチ、ブレーキフィーリングのクルマも多い。ストレスフリーな減速や停止、荷重移動を行うには回生ブレーキは邪魔な存在と言える。
この他にも、電動化による制御の複雑化によりチューニングに対するハードルが上がったり、DIYでのメンテナンスやカスタマイズが難しくなった点などが、クルマ好きにとって悲しいポイントと言える。そんなクルマ好きクルマ遊びの文化はごく少数が味わってきた趣向品とも言えるので、淘汰されても仕方ないかもしれない。しかし、カーボンニュートラル燃料などの普及で、既存のエンジン車が生き延びることが出来たりするかもしれないし、今後エンスー向きな新型車が登場する未来もあるかもしれない。「昔は良かった」と腐らずに、現状の環境で思いっきりクルマ遊びを楽しめば、いつか日の目を見る日が来ると信じて各々のカーライフを過ごそう。