アメリカ車らしい大排気量のエンジンをラインアップ
C2に搭載されたエンジンは、C1から引き継がれた5.4リッターのV型8気筒で、レーシング仕様さながらのインジェクション仕様はやはり360馬力の最高出力を発揮。さらに、6.5リッターのV型8気筒OHVエンジン、すなわちビッグブロックユニットを425馬力の最高出力で搭載した、現在でもお馴染みのコンペティションパッケージ「Z06」が用意された。
その核となるビッグブロックユニットは、1966年にはさらに7リッターへと排気量拡大されたほか、オプションで4速MT、3速ATの選択もできるようになった。
C2型コルベットは、あらゆる点であとに続くコルベットの原型となったといえるモデルだ。その象徴的なメカニズムといえるのが、リヤのリーフスプリング。一般的には縦置きされるそれを横置きとすることで、リヤのバネ下重量を実質的にゼロとするこのシステムは、C2から長くコルベットに使用され、最終的には2019年に生産を終了する第7世代、すなわちC7型コルベットにまで継承される。
このC2型コルベットの後継として1968年に誕生したC3型コルベットは、1982年まで生産が継続される、非常に長いライフスパンが与えられたモデルだった。
大きく張り出した前後フェンダーと左右のドアによる強い絞り込みから、コークボトルの愛称でも親しまれたC3のデザインは、先に製作されていたデザインスタディのマーコ・シャークIIがその原型。ダイナミックな造形からは、いかにもアメリカンスポーツらしい力強さが感じられた。クーペボディにはTバールーフが採用されている。
エンジンラインアップやシャシーは、基本的にはC2のそれを受け継いだもの。エンジンはビッグブロックの7リッターユニットが1969年に7.4リッターに、スモールブロックの5.4リッターも5.7リッターに排気量拡大されるなどしているが、最高出力には変化はなかった。
また、この5.7リッターユニットにチューニングを施し、1971年には370馬力の最高出力を達成したLT1型エンジンの名は、その後もコルベットのみならずシボレーのファンには特別な響きを持って迎え入れられるものとなった。
だが、1970年代初頭のアメリカは大気浄化法(マスキー法)の施行によって、コルベットのようなスポーツカーには逆風が吹き荒れた時代。シボレーは1978年になるとC3を軽量化とともにエアロダイナミクスの向上などにも及ぶマイナーチェンジを施し、そのキャラクターをよりマイルドなGT(グランツーリスモ)的なものにすることを試みるが、結局1982年をもってC3はその生産を終了することになったのだ。