嫌な気持ちにさせられるかどうかは「合流の仕方次第」
それはさておき、編集部様が挙げた例では「入る前からハザードランプを点滅させる」という行為も、失礼と認識される可能性ありとのことであった。
ううむ、これはどうだろうか?
これも、最初にまずはウインカーを点滅させたうえで、割と普通の入り方をしてくる限りにおいては、合流前から合流後まで10秒間ぐらいハザードランプを点滅させっぱなしにされたところで、少なくとも筆者は気にならない。気にならないというか、むしろ人混みの中を「よっ! ごめんなすって! ごめんなすって!」と手刀を切りながら横切っていくおっさんを見ているようで、若干微笑ましく感じることすらある。
だが、結果として「問題あり」な入り方に終わったドライバーが、入る前からずっとチカチカ点滅させていたことを思い出すと、やはり結果としてムカつくものだ。「おう。この俺様が入りてえって意思表示してんだから、当然お前は譲るよな? ていうか譲れよ、のろま」とでも言われたかのような気分となり、例の「……ナメてんのかコラ?」となるのである。
そのほかでは「点滅させる回数が多すぎる」というのも、“逆に失礼”と感じられる場合はあるだろう。
サンキューハザードなどというのは2回か3回チャチャッと点滅させれば十分なはずなのに、5回も6回も、場合によっては10回も点滅されると、「……慇懃無礼なことはやめろ!」と叫びたくなる人もいるだろう。実際先日、そう叫んでいるドライバーを見かけた――というのは完全に嘘だが、じつはこれも「合流の仕方次第」なのではないかと思っている。
筆者は普段、必要に応じて2回から3回ハザードランプを点滅させるか、もしくは「危険性も失礼性もいっさいない」と判断されるときには点滅させないことを常としている。だがごく稀に、5回ぐらい点滅させることはある。
それは「やっちまったとき」だ。
斜め後ろにクルマがいたのに、見えてなく、結果として失礼あるいは危険な割り込みになってしまった――というときには、「あーっ、すびばせん! 悪気はなかったのですが、正直見えてませんでした! 以後気をつけますー!」との意を込めて5回ほど点滅させ、その最中に左手を上げる。
まぁこの場合はハザードランプの点滅はなしで「左手を上げるだけ」でもいいと思うし、逆にそちらのほうが正統であるとは思うのだが、いずれにせよ「失礼なサンキューハザード」というのは点滅のさせ方や回数にひもづくものではなく、「合流の仕方」や「コミュニケーション」にひもづくはずのものである。
まっとうな運転および合流等を心がけてさえいれば、サンキューハザードなんて何でもいいのだ。2回でも3回でもいいし、場合によっては0~1回でいい。
まぁさすがに「10回」は多すぎで、「……そんなこと気にしてないで、ちゃんと前見て運転しろ!」と叫びたくなるわけだが。