ヤマハが音楽制作で培ったノウハウを加速サウンドに注入
さすがにヤマハらしく、開発プロセスは音楽制作の知見がベースとなり、シンセサイザーが大いに活躍した模様。ご承知のとおり、シンセはあらゆる音をサンプリングして、さまざまな音の作りこみができる機材。加速シーンにあわせて、ひとつひとつの音を作りこみ、あたかも心揺さぶる曲を聴いているかのようなドライビング体験ができるとされています。
さらに、加速サウンドも楽器の音色と同じく倍音構成としているのもヤマハならではの表現かと。平たくいうと、EVの加速音が管楽器のようなクリアな響きから、弦楽器のように野太い低音まで幅広く表現できるということ。このあたり、デモ動画でもご覧になっていただくのが一番わかりやすいです。
そして、クルマ好きの興味をそそるのが「アクセルワークや速度と連動する動的制御」というポイント。これは、アクセル開度と車速をリアルタイムにモニターして、独自開発したアルゴリズムにより、ときにはパワフルに、ときにはスムースにサウンドを再生するというもの。走行状態にマッチしたサウンドということにほかならず、エンジンの回転数やギヤレシオといった要素まで導入されるとなると、ゲームのサウンドなんか目じゃないってことになりますね。
ところで、エンジンやギヤは動力機構であるのと同時に音源であることも確か。これもヤマハは抜かりなく「仮想的なエンジン回転数」を導き出し、回転数とギヤのバリエーションについて細かく音作りをしたといいます。これによって、加速音には自然な躍動感が加わり、よりリアルでエモーショナルな仕上がりに!
以前、ダッジ・チャージャー・デイトナのEVコンセプトモデルを紹介した際は、120デシベルもの爆音(ジェット機のエンジンに等しいボリューム)を発生させる音響システムに度肝を抜かれましたが、ヤマハのEV加速サウンドはより緻密な感じがバチバチ伝わってきます。技術的にはマッスルカー並みの爆音も可能でしょうが、やっぱりヤマハらしく透き通った胸のすくようなサウンドを願いたいもの。
こうしたイノベーションがどんどん活発になれば、EV時代のドライブはよりワクワクすること間違いありません。