疑似エンジン音みたいなチャチなものじゃない「加速音」を演出! 「ヤマハ」がEVを退屈にしない「音」に挑戦した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■EV時代の本格的な到来に向けてヤマハから「EV加速サウンド」の提案がなされた

■ミキシングされた新たなEV加速サウンドが走行に呼応して車内に響く

■アクセル開度と車速モニターでときにはパワフルにときにはスムースにサウンド再生

EVだってやっぱり音を楽しみたい

 EVのフォーミュラカーレース、フォーミュラEを間近で観戦した際、音については期待をしていなかったのですが、見事に裏切られました。ハイワッテージのモーターが全開で鳴らす独特な唸りや駆動システムが発生するノイズ、タイヤの摩擦音などなど、限界域のレーススピードならではの大迫力。これなら、従来のレースを見慣れているファンにもいずれは良さが伝わる、EVの唸りに心躍らされるシーンが必ずやってくると感じたものです。

 もっとも、こちらは世界のトップレベルEVレースの話であって、普段そこらを走るEVとなると、モーターの音で心震わせるなどということは滅多にありません。EV時代が到来してもクルマ好きが心震わせるサウンドは望み薄かと思いきや、あのヤマハがやってくれました!

 ヤマハといえば、すぐさまトヨタ向けエンジン開発やバイクを思い出すのはクルマ好き、乗りもの好きのデフォ。ですが、それはヤマハ発動機で、今回はピアノや楽器、オーディオデバイスを作っているヤマハのニュース。

 ちなみに、レクサスLFAに搭載されたヤマハ発動機によるV10エンジンのサウンドチューニングにはヤマハの音響チームが合流したとされ、クルマとのコミットが薄いわけではないのです。むしろ、車載オーディオの開発や車内の音響空間を自動車メーカーと協業して開発するなど、クルマとの関わりは十分すぎるほどといえるでしょう。

 そんなヤマハから「EVのスポーツドライビングに応える加速サウンド」の提案がなされました。既述のとおりEVといえば静かな車内で、ドライビングプレジャーを与えてくれるサウンドとは無縁の世界。ここに、ヤマハがこれまで培ってきた楽器作りや音楽制作、はたまた先進的な音響デバイスのノウハウが生かせるはず!

 ということで、EVにも心躍らすような車載オーディオ向けサウンドを開発したとのことで、従来のエンジン音を受け継ぐサウンドをはじめ、「物理的制約から解放されたまったく新しいサウンド」なるものまでミックス。つまり、新たなEV加速サウンドをオーディオシステムに組み込むことで「クルマの走りに呼応したサウンドパフォーマンスが車内に響く」ことになるのです。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

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