保険を使ったら翌年の「支払う料金」が上がる……とは限らない! 意外と知らない自動車保険の等級ダウンの中身 (2/2ページ)

現在フロントガラスの傷は1等級ダウンになる

1等級ダウンのケース

 1等級ダウン事故は、自然災害など基本的に、運転者が気を付けていても防ぐのが難しい事故が当てはまる。

 具体的には

・ 火災・爆発

・ 盗難

・ 落書き・飛び石による窓ガラス破損・いたずら

・ 飛来中または落下中の他物との衝突

・ 台風・竜巻・洪水・高潮

 などの被害で、車両保険を使った場合だ。

 なお、同じ自然災害でも、地震・噴火またはこれらによる津波の被害に関しては、一般的に車両保険では補償されないので要注意(「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」を契約している人を除く)。

 また、一昔前まで、飛び石によるフロントガラスの傷は、等級ダウン無しで修理することができたが、昨今は1等級ダウンになるので、お間違いなく。

ノーカウント事故のケース

 保険を使ったにもかかわらず、事故がなかったときと同じように、翌年の契約の等級が1等級上がる事故もある。

 具体的には、

・ 人身傷害保険

・ 搭乗者傷害特約(傷害一時金、死亡・後遺障害)

・ ファミリーバイク特約

・ 弁護士特約

・ 個人賠償特約

 などがノーカウント事故の主な例。詳しくは地震の契約書を確認すること。

 ちなみに大きな事故に遭ったとしても、自分の加入している保険から、補償を受けなければ翌年の等級には影響せず、等級はアップする(事故を報告しても、相談するだけならノーカウント。たとえば、クルマ対クルマの事故で、相手側から支払われた保険料で足りなかった分を自腹できれば、等級に悪影響はない)。

 反対に、1年間に2回事故を起こすと、等級も2回分反映される。たとえば、3等級ダウンの事故を1年間に2回起こすと、次回の更新時の等級は3等級×2回=6等級ダウンになる。

 いずれにせよ、自動車保険はいざというときのために、手厚く加入しておくのがベストだが、3等級ダウンの事故、あるいは1等級ダウンの事故を起こすと、次年度の負担が大きくなるので、できるだけ自動車保険のお世話にならないよう、つねに安全運転を心がけよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報