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ポルシェが開発にかかわっていた!? バカッ速伝説渦巻くメルセデス・ベンツ500E/E500というモンスターセダン (1/2ページ)

ポルシェが開発にかかわっていた!? バカッ速伝説渦巻くメルセデス・ベンツ500E/E500というモンスターセダン

この記事をまとめると

■メルセデス・ベンツW124型Eクラスには500E/E500というモンスターセダンがあった

■330馬力の5リッターV8を搭載し、車両の開発と製造にはポルシェもかかわっていた

■500E/E500ベースのAMGやロリンザー、ブラバスなどのチューニングモデルも存在

「最善か無か」クオリティ時代の鬼トルクEクラス

 1991年の発売以来、現代にいたるまでさまざまな伝説を作り上げてきたメルセデス・ベンツの高性能セダン500E/E500。これほどやんちゃエピソードやビックリ目撃談にこと欠かないクルマは、滅多にありません。平たくいえば、鬼トルクをオートマでブイブイ言わせる「最善か、無かクオリティ」の楽ちんセダン。

 あるタイヤショップが富士スピードウェイで開催した走行会にM3(E30)で参加した筆者が、ストレートを必死の思いで200km/h出しているというのに、真横を涼しい顔で抜いていった500E。運転していたのはショップの社長で、なんと自動車電話で通話しながらのことでした(笑)。また、アネスト岩田ターンパイク箱根(箱根ターンパイク)で初めて500Eを走らせた際、料金所からベタ踏みしたところ最初の歩道橋が現れる前に、怒涛の加速にビビリミッターが効き、思わずブレーキを踏んだこと、いまでも忘れられません。まったくもって愉快痛快なこのマシン、ちょっと振り返ってみましょう。

 メルセデス・ベンツEクラスは、1984年から発売されたミディアムクラスセダン。W124のコードネームが付され、ときには「メルセデス・ベンツ、最後の良心」などと呼ばれるほど完成度の高いモデルとされています。この普通といえば普通のセダンをベースに、大排気量エンジンを積んだスペシャルを作ろうというのはさほど突飛なアイディアではありませんでした。なにしろ、同社は戦前のSSシリーズに始まり、戦後の600リムジーネ、450SEL6.9など、同様のコンセプトで作られたモデルは枚挙にいとまがありません。AMGなんかがやるより先に本家がずっと先駆けていたわけです。

 で、選ばれた大排気量エンジンは当時のSLやSクラスに搭載されていたM119、すなわちV8DOHC 4973ccで当初は330馬力/5600rpm、50.0kgfm/3900rpmというセッティングがなされていました。頑健でそこそこパワフルなユニットなんですが、なにせ単体で700kg余りと重たいエンジン。標準的な300Eが1470kgと、そこそこ軽いのに比べて500Eは1700kgにまで及んでいます。

 ただし、これは重量級エンジンだけでなく、補強されたフロントスカットルや大型ブレーキキャリパー、はたまたSLのパーツを流用したサスペンションシステムなどを総合した結果。「エンジンよりも速いシャシー」を標榜していた往時のメルセデス・ベンツとしては当然の帰結だったに違いありません。

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