そこに突入するという選択肢しかないのが現実
日本で一番長い橋は川崎(神奈川県)と木更津(千葉県)をつないでいる「アクアブリッジ(東京湾アクアラインの千葉県側)」だが、この橋を迂回しようと思うと、東京湾沿いにグルっと遠まわりするか、横須賀(神奈川県)と富津(千葉県)をつないでいる東京湾フェリーを利用するくらいしか方法がない。
渋滞しているのがわかっていても、そこに突入するという選択肢しかないのが現実だ。結果的に利用者の増える週末などは、アクアラインが渋滞することが多くなってしまう。
同様のことは一般道でもいえる。冒頭で記した跨線道路橋を通らずに、線路の向こう側に行こうと思うと、踏切を渡るというルートになってしまうことが多い。踏切を待つくらいであれば渋滞しているオーバーパスを通ったほうが結果的に早いということになりがちだ。
慢性的に渋滞しているということは、そこで多くのロスが生まれていることになる。道路行政の基本としては、そうした無駄をなくすために、橋を増やすという風に考えるべきだが、新しく橋をかけるというのは予算のかかる行為であり、すぐに対応できるものでもないのは自明だろう。
というわけで、多くの橋が渋滞している原因は、実質的に迂回路がないため、特定の橋に交通量が集中するために起こっている。
もっとも、場所によっては橋のアップダウンが大きかったり、先の見えないコーナーになっていたりするために自然渋滞が起きているケースもあるだろうが、大筋では橋の渋滞は「そこを渡るしか道がない」からといえるだろう。