レース技術を応用した空力性能と様々な電子デバイスを搭載
このエンジンの性能を余すことなく発揮させる空力デザインも施された。標準装備のCFRP製フロントリッドに配置した2つのNACAダクト、フロントバンパー上のワイドエアアウトレット、フロントスポイラーリップやリヤスポイラーなどが複雑に連動することで、高速走行時のクルマ全体のエアロダイナミクスバランスを整えている。
718スパイダーをベースにしたシャシーには、クーペモデルのトップグレードである718ケイマンGT4 RSのシャシーの一部を用いたことで、強力なエンジンパワーを支える。
さらに、718ボクスターより車高が約30mm下がり、路面状況と運転操作に応じた乗り味を実現するポルシェアクティブサスペンションマネージメントシステム(PASM)や、機械式LSDが装備されるポルシェトルクベクタリング(PTV)などによって、このモデルが得意とするワインディングロードでの軽やかな走りを実現した。
インテリアは、レースマシンにも採用される『Race-Tex』というマイクロファイバー素材を、RSスポーツステアリングホイールやシフトグリップなどに用いて軽量化。また、CFRP製フルバケットシートには、ヘッドレストに「Spyder RS」ロゴが刺繍され、『Race-Tex』とブラックレザーを組み合わせたことでコーナリング時の運転姿勢をしっかりサポートする。そのほか、ダッシュボードやトリム類にもレザーを使用して、手触りや見た目でもドライバーに高揚感を与えてくれる。
718スパイダー RSには手動操作式のシングルレイヤー軽量ソフトトップが装備されており、太陽の強い日差しから守ってくれるキャンバストップと、サイドウインドウを開けながら走行しても雨粒を効果的に防ぐウインドディフレクターを用意している。これらは、どちらか一方を収納できる上に、重さは18.3kgと、718スパイダーより7.6kg軽く、718ボクスターよりも16.5kg軽く作られた。
また、オプション装備として、「ヴァイザッハパッケージ」が用意されている。このパッケージには、フロントリッドやドアミラー上部、ロールオーバーバーのカバー、リヤウイングのガーニーフラップなどがカーボンパーツに変更される。そのほか、20インチの鍛造マグネシウムホイール、チタン製のスポーツエキゾーストシステムなど、より軽量でレーシーなスタイルにすることが可能だ。
さらに、718スパイダー RSのオーナーのみが購入できるポルシェデザイン製のクロノグラフ(腕時計)も用意されている。この腕時計は、インテリアと同じ素材のカーボンやレザーで仕立てられており、運転しない時でも所有していることが実感できるだろう。
718スパイダー RSは、左右どちらのハンドルも選択可能で価格は2024万円。
スポーツカーメーカーのポルシェが手がけた、最高の走行性能を誇るオープンスポーツモデルを体感したい人にはうってつけのクルマが登場した。