この記事をまとめると
■クルマには「オドメーター」と「トリップメーター」がある
■いずれも走行距離をカウントするためのもの
■違いやそれぞれの活用方法について解説する
トリップメーターは切り替えられるものが多い
クルマのことを話す際に、よく出てくるのが「走行距離」という言葉。「このクルマ、何km走ったの?」なんて聞き方をしたり、中古車の情報としても走行距離は大事な要素として、売るほうも買うほうも気にすることが多いのではないでしょうか。
でもこの「走行距離」には、じつは2種類あるということをご存じですか? 上記のようなシーンで話題にする走行距離というのは、正確にはそのクルマの「総走行距離」を指しています。
総走行距離というのは、そのクルマが製造されてから、現在までに走ってきた距離の累計のことで、メーター内では「ODO」と表示されているところに数字が並びます。これを「オドメーター」と呼び、メーターパネルを丸ごと交換しない限りは、数字が継続してカウントされることになり、ゼロにリセットされることはありません。これが何らかの工作によって途中でリセットされたクルマは、メーター改ざんといって、その事実を隠して販売すると違法行為となります。
オドメーターはメンテナンスを行うタイミングの目安としたり、そのクルマの状態を知る判断材料となる大事なメーターなので、もし中古車を購入する場合にはメーター交換などで改ざんされていないかどうか、もし改ざんしたとしたら、以前のメーターの総走行距離が何kmだったのか、しっかりと記録されている個体を選ぶようにしたいですね。
そして、もう1つの走行距離が「トリップメーター」です。こちらは任意のタイミングで計測をスタートすることができ、走行距離を測ったら好きな時にゼロにリセットすることが可能です。ほとんどのクルマには、「A」「B」と2つの積算計がスイッチなどで切り替えられるようになっていて、たとえば一方は燃費を計算するための走行距離としたり、もう一方はオイルを交換した直後からスタートして、次回交換のタイミングの目安としたり、いろんな使い方ができるようになっています。
なかには、月のはじめにリセットして、1カ月で自分が何km走行したのかを把握するために使っている、という人もいました。自分の走り方を知ることは、燃料費や保険などいろんなランニングコストの把握にも役立ちますので、もしまだ使ったことがないという人は、ぜひ活用してみてほしいと思います。
また、クルマによってはこのトリップメーターと連動して燃費計がついていたり、ガソリンの残量から航続可能距離が表示できるものなど、さまざまなデータが表示されるようになっていますので、切り替えてみるともっと自分のクルマの状態をよく知ることができると思います。メーターを上手に使って、賢く快適なドライブをしてくださいね。