ホンダには素質がいいマシンが勢揃い
S660
軽自動車でありながら、専用の6速MTを設定したほか、予算を度外視したといっても過言ではないリヤの足まわりの作り込みなど、ビートの後継車種と言われながらもそのスポーツ度は格段にアップしていたS660。
こちらも惜しまれながら2022年3月に終売となり、有終の美を飾るモデルとして「モデューロX バージョンZ」がリリースされたが、走行性能に関わる部分は通常のモデューロXと同一となっていたのは物足りなく感じた人も多かったのではないだろうか。
とはいえ、すでにノーマル状態で自主規制値の64馬力を発生しているS660だけに、足まわりやボディだけでなく、エンジンにもすべからく手が加えられるタイプRの追加は難しい注文だったのかもしれない。
インサイト(初代)
燃費性能ナンバーワンを目指すためだけに作られた、といっても過言ではない初代インサイト。NSX同様にアルミを多用したボディに加え、一部外板パネルには樹脂を使うなど軽量化を実現し、重量がかさむハイブリッド車でありながら800kg台前半をいう驚異的な数値を実現。
また、空力特性にも力が入れられており、特徴的なリヤスカートやCR-Xを彷彿とさせる切り落とされたリヤセクションなどを持ち、Cd値は0.25と当時のハッチバックタイプの車両としてはかなり低い数値をマークしていた。
インサイトの軽量化と空力は燃費性能のために追求されたものだったが、この技術を応用し、パワフルなパワートレインを搭載したタイプRモデルが存在しても面白かったかもしれない。
初代インサイトにはハイブリッド車としては珍しく5速MTが設定されていたが、こちらも燃費重視のギヤ比であり、決して走らせて面白いものではなかったため、ハイパワーな心臓とクロスしたトランスミッションを持つホットなインサイトを見てみたかった気持ちもある。