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なんとロールス・ロイスには「公認運転手」制度があった! ドラテクだけじゃない驚きの「プログラム」の中身 (2/2ページ)

なんとロールス・ロイスには「公認運転手」制度があった! ドラテクだけじゃない驚きの「プログラム」の中身

この記事をまとめると

ロールスロイスには「公式ショーファー(運転手)」が存在する

■ロールスロイス・ホワイトグローブ・プログラムという3日間の講義がある

■講義では顧客への徹底した気配りや万が一に備えたさまざまな対応を学ぶ

ショーファーカーを操るプロフェッショナルになるための講義とは

 ロンドンのタクシー運転手になろうとすると、市内の道という道を知悉していることはもちろん(これとても並大抵ではありません)、地点間の最短距離を即座に、しかも正確に走ることが求められるといいます。一方で、ドライビングテクニックについては寛容なようですから、ピカデリーサーカスでドリフトでもしない限りは合格できるかと。

 これが、ロールスロイスの公式ショーファー(運転手)ということになるとだいぶ状況は変わり、さすが世界のセレブを乗せるだけあって、運転マナーにとどまらない徹底したレクチャーが実施されています。

 ロールスロイス・ホワイトグローブ・プログラム、ショーファーを指して白手袋とはじつに大時代的な表現ですが、正式な講義としてスタートしたのは2013年のこと。以前にもロールスロイスは同様のプログラムを持っていましたが、ワールドワイドに体系化したのがこのタイミングだったようです。

 プログラムは実質3日間が費やされるのですが、初日はいわゆる座学というやつ。ロールスロイスの歴史から始まって、メカニズムや各種スイッチの機能や使い方もここで習います。さらに、身だしなみについてのアドバイスも初日の重要なカリキュラム。曰く「プラスチックのサングラスはNG(品格に欠ける)」「ソールが黒いレザーシューズ」あるいは「シルクの黒いネクタイ」といった具合です。

 翌日からは実技となりますが、まずは「ロールスロイスを停める場所への留意」として、どんな場所に停めるか、こと細かく指示されます。例えば、側溝やマンホールの近くはNG(万が一にも顧客が落ちたりしないよう)、下世話なクルマの近くは避ける、ごみ箱の横などもってのほか、とにかくロールスロイスが美しく見える場所が望ましいなど、「なにもそこまで!」感が漂います(笑)。

「いうまでもなくロールスロイスという高価なクルマを雇うわけですから、顧客はクルマにそぐわない運転手を歓迎するはずがありません」。

 ごもっともなコメント。これはプログラムのチーフを務めるアンディ・マッキャン氏によるもの。彼はプロのショーファーになる以前はスキー競技に参戦し、また運動力学の博士号を取得というキャリアの持ち主で、普段はロールスロイスのCEOのためにショーファーをしている人物。これ以上、説得力のある人物もいないでしょう。

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