いまじゃ庶民が買えるミッドシップスポーツなんて夢のまた夢! ジャジャ馬だけど「トヨタMR2」はやっぱり偉大なクルマ (2/2ページ)

車格も大きくなりよりハイパフォーマンスに

 1989年10月にフルモデルチェンジした2代目MR2は、相変わらず横置きミッドシップレイアウトだったが、エンジンは2リッター4気筒ツインカム「3S-G」型となり、ボディも初代に比べるとひとまわり大きくなった。

 このエンジンは、スポーティクーペ「セリカ」に使われているものと共通といえるもの。車名こそ同じだが、モデルチェンジによりMR2の車格はワンランク上になったといえる。当時のトヨタのラインアップ&ヒエラルキーでいえば、カローラ級からコロナ級になったといえるだろうか。

 初期型のエンジンは165馬力の自然吸気と225馬力を発生するターボの2種類が用意された。出力差は大きいが、当時のトヨタの車両型式は同じエンジンであれば共通となるルールだったため、いずれのパワーユニットを積んだモデルも「SW20」という車両型式となる。初代の愛称にならい、こちらは「エスダブ」と呼ばれることが多い。

 この当時、200馬力を超えるエンジンというのは間違いなくスポーツカーに分類されるものであったが、フロント195/60R14、リヤ205/60R14というタイヤは、そのパフォーマンスを受け止めるにはあまりにも力不足であり、コントロールが非常に難しいミッドシップマシンという評価を受けることになる。

 その後、タイヤサイズの拡大やシャシーのブラッシュアップなどを受け、1993年11月のマイナーチェンジにより、自然吸気エンジンは170~180馬力、ターボエンジンは245馬力へとパワーアップを果たした。

 さらに、後期型ではスポーツABSを標準装備するなど、走りを洗練させていったが、じゃじゃ馬という印象は最後までつきまとうことになり、1999年に2代目をもってMR2は生産終了。ライトウェイトスポーツカーであるミッドシップオープン2シーター「MR-S」にバトンを渡すことになった。

■SW20ボディサイズ
全長:4170mm
全幅:1695mm
全高:1240mm
車両重量:1240kg


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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