この記事をまとめると
■空気圧がゼロになっても一定距離を走行可能にしたタイヤがランフラットタイヤだ
■1980年代から存在しており、2000年代前半から多くの市販車に採用されている
■コストと乗り心地に課題があり、当初想定していたよりも普及は進んでいない
パンクしても走行できるなどメリットも多いランフラットタイヤ
言うまでもなくクルマを支えているのはタイヤ。そして、現在は空気入りタイヤが使われている。当然ながら、なんらかの理由で空気が抜けたパンク状態になるとまともに走ることができなくなる。走行中にパンクしてしまうと姿勢を乱すなどアンコントロールな状態になるため、事故につながってしまうこともある。
そうしたシチュエーションで最低限の安全性を確保するために生まれたのが「ランフラットタイヤ」と呼ばれるものだ。
ブリヂストンのホームページから引用すれば『空気圧がゼロになっても、所定のスピードで一定距離を走行可能とする技術』であり、具体的には空気圧がゼロになっている状態で、80km/hの速度で80kmほど走行できるのがランフラットタイヤとして認められる機能だ。パンクしないタイヤではなく、あくまでエマージェンシーとしてパンク時の安全性を確保したタイヤといえる。
量産技術としては1980年代から存在、2000年代前半からは多くの市販車に採用されることになった。
ブリヂストンのランフラットタイヤでいえば、1987年に登場したポルシェのスーパースポーツ「959」に標準装着されている。2007年からは同じ4WDのスーパースポーツである日産GT-Rにもブリヂストンのランフラットタイヤは採用されていた。
スポーツカーの開発においてスペアタイヤのスペースを確保することは、重量増の点からもけっしてうれしい話ではない。ランフラットタイヤの採用は、理想を実現するためのソリューションとして歓迎された。