現実を考えると名車復活にはまだまだ鬼門が多い
ホンダCR-X
名前的にはCR-Xの後継モデルとしてはCR-Zがそれに該当していただろう。しかし、結局1代で終わってしまったことを考えると、CR-Zは大成功とは言えなかったと思う。そもそも、登場した時代的に考えて、「ハイブリッド+スポーツカー」というパッケージはまだ早かったとも言える。CR-Zの価格帯でスポーツカーを出すのであれば、走りの軽快感が望まれる。いわゆる「ライトウェイトスポーツ」と言われるモデルだ。
では、そんなCR-Zがなりきれなかった、現代に相応しいCR-Xの後継モデルを考えたときに、最適なパワートレインはなにか? いまのホンダのラインアップから考えてみると、先代ヴェゼルや現行シビックに搭載されている(厳密に言うと両車は異なるが)1.5リッターVTECターボエンジンではないだろうか? これならシビックでやっているように、6速MTを組み合わせることも可能だ。もちろん「NAで高回転までまわすのこそ正義」という気持ちもわかるが、現実路線として1.5リッターターボエンジンを軽量な車体に組み合わせたら、それはそれでかなり面白いと思う。
コンパクトなハッチバックボディに既存の1.5リッターターボを組み合わせれば、あまり価格も高くならないのではないか!? そうすれば、ライバルとなるであろうスイフトスポーツといい勝負ができそうな、痛快ボーイズレーサーが誕生するはずだ。
スバルWRX STI
絶版名車の話題となると、どうしても20年前くらいの話になりがちだが、近年惜しまれつつピリオドを打ったクルマもある。その代表的な存在がWRX STIだ。インプレッサWRX STIから続く系譜であったが、2019年に長きにわたり愛されていた名機EJ20とともにその幕を閉じた。
そんなEJ20の代わりとして現在使われている現行エンジンのFA24は、WRX S4でのニュルブルクリンク24時間耐久レースへの参戦も決まっているだけに、パフォーマンス的にはWRX STIの名に恥じないエンジンに仕上げることもできるはずだ。問題はCAFE規制とアイサイト+MTの組み合わせだろう。現在のラインアップでストロングハイブリッドを持たないスバルにとって、CAFÉ規制はかなり厳しい。また、現状アイサイト+MTの組み合わせは現在まで存在していない。
そんなWRX STIが復活するならば、スポーティなボクサーターボエンジンとAWD、そしてMTの組み合わせは不可欠だろう。ただ、現在のスバルとCAFE規制を考えると、台数は実質的に限定となってしまうかもしれない。アイサイトの対応については、衝突被害軽減ブレーキの義務化が必要とされる2025年末までに何らかの対策が必要だ。なので、もしWRX STIを復活させるとするならば、GR86/BRZでアイサイト+MTという組み合わせを出してからになるのではないかと予想してみる。
今回ピックアップした以外にも復活を望みたい車種はたくさんある。言い換えてみればそれだけブランド力が溢れる名車が日本車にはたくさんあるということだ。それは、それぞれのメーカーが持つ価値ある財産と言えるだろう。復活というのはなかなか難しい問題でもあるが、この財産を活かして堂々たるリバイバルがなされることを期待してみたい。