この記事をまとめると
■フォルクスワーゲンの「ID.Buzz」は名車「タイプ2」をオマージュしたEV
■2017年の東京モーターショーでコンセプトモデルを展示した
■日本へのVW正規輸入開始から70周年となる2023年に特別仕様車が国内販売される
話題の「ID.Buzz」ってそもそもどんなクルマ?
日本に初めて正規輸入されたフォルクスワーゲンは、108台のビートル(タイプ1)と3台のトランスポーター(タイプ2)でスタートしたそうです。それが1953年のことで、2023年は70周年にあたるメモリアルイヤー。その70周年を迎えることを記念して、年内に特別仕様車が発売されることとなったのが「ID.Buzz」です。この発表を受け、すでにファンの間ではかなりザワザワとしているのですが、いったいこのID.Buzzとはどんなクルマなのでしょうか?
じつはこのID.Buzzの原型ともいえるコンセプトカーは、ずいぶんと前に日本でもお披露目されていたんです。もしかしたら、実際に見たという人も多いかもしれません。というのも2017年の東京モーターショーで、フォルクスワーゲンのブースにて、「通称ワーゲンバスが未来のクルマとなって復活した!」と話題となったイエローとシルバーのツートーンの出展車。それこそが、日本初公開されたID.Buzzでした。
この頃から、2022年の生産が決定しているとのアナウンスがあり、その約束どおりに2022年3月9日にワールドプレミアとなり、全貌が明らかになったというわけです。ただし、正式に日本導入されるのは2024年以降になるとのことなので、それよりも約1年早く特別仕様車が台数限定で入ってくるということは、かなりのスペシャル感。これはザワつくのも当然というものですよね。
ではそのID.Buzz、どんなクルマなのか見ていきましょう。名前にもついている「ID.」というのは、フォルクスワーゲンが電動化をすすめていく上での新世代EVを統括する名称で、2020年10月に最初のID.である「ID.3」が欧州で発売されたのを皮切りに、「ID.4」(日本導入済)や「ID.6」「ID.5」(ともに日本未導入) など続々と発売され、約2年で世界累計販売50万台を達成しています。
2026年までにさらに10モデルのEVを投入する予定で、その目玉のひとつとなるのがID.Buzz。1950年代から量産されてきて、日本でもワーゲンバスとして愛され、自由なライフスタイルを象徴するかのような「タイプ2」を、次世代の電気自動車として蘇らせたモデルとして、ID.Buzzは未来のフォルクスワーゲンファンをつくり、育てていくブランドのイメージリーダーとしても大きな役割を担っています。
ID.Buzzには乗用車版のID.Buzzのほかに、商用車版となるID.Buzz Cargoが用意されています。どちらも、電動駆動用に専用に開発されたプラットフォーム「MEB」を採用。EV専用とすることでスケールメリットを生み出すことに加えて、開発段階から高効率な製造過程を考慮しているため、コストを削減して販売価格を引き下げることで、より多くの人に手頃な価格で販売できるようにしています。
ボディサイズは全長4712mm、全幅1985mm、全高1937mm(cargoは1938mm)で、アルファードと比べると全長は少し短く、全幅は35mmほど大きく、全高は13mmほど低いというサイズ感。デザインが未来的なだけでなく、ちょっと遊び心を感じさせるようなフレンドリーさがあるので、ファミリーにも人気が出そうです。