「こんなこともできないのか」なんて怒らないで! ベテランドライバーには「当たり前」でも初心者には難しいポイント4つと上手くなるコツ (2/2ページ)

意図的にクルマを寄せることも難しい

 3つ目は、対向車線に右ウインカーを出して止まっている若葉マークのクルマがいたので、パッシングして「どうぞ」と譲ってあげたのに、いっこうに曲がってこない、なんてことはありませんか? ボーッとして対向車の様子を見ていないのか、パッシングの意味を理解していないのか、せっかく譲ってあげようとしてもこれだと「なんだよ」と不満を言いたくなるのも無理はありません。

 運転初心者は対向車線が混んでいると「どうせ向こうの信号が変わるまで曲がれないよね」とあきらめてしまったり、ウインカーを出したことでひと息ついたりしてしまうかもしれませんが、若葉マークのクルマに親切にしてあげようと気を遣うベテランドライバーは意外に多いものです。いつなんどき、わざわざ停止して「どうぞ」と譲ってくれる対向車が現れるか分かりませんから、決して油断せず、常に状況を見逃さないように緊張感を保ちましょう。

 4つ目は、お昼時のファーストフード店のドライブスルーや、朝夕のインターチェンジの出口など、混み合っていて順番待ちのクルマの列が長くなってしまうところがあります。そんな時は、なるべく車道の左端に寄せて並ばないと、直進する後続車を邪魔してしまうことになります。

 でも運転初心者はそもそも左端に寄せるのが苦手だったり、順番待ちの列に気づくのが遅れてウインカーも出さずに急に停止したり、車道の真ん中にはみ出してしまうことも多いもの。これは、追突される危険性を高めてしまう行為ですから、常に「並んでいるかもしれない」という心の準備をして運転し、早めに状況を把握して行動することが大切です。ベテランドライバーの皆さんは、はみ出して順番待ちをしている若葉マークのクルマにムッとするかもしれませんが、反省して次回はちゃんと左端に寄せてくれることを願いつつ、安全に避けてあげるようにしたいですね。

 ということで、運転に慣れた上手な人から見ると「まだまだ青いなぁ」と思ってしまうケースですが、運転初心者にとってみると毎回必死で操作していることばかり。若葉マークが取れるころには、実践を積んで余裕をもった正確な運転ができるように、おおらかな気持ちでフォローしてクルマ社会全体の安心・安全につなげましょう。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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