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ワゴンにもクーペにも可変する画期的アイディア……のハズだった! 日本の法規に阻まれた「日産エクサ」という残念なクルマ

ワゴンにもクーペにも可変する画期的アイディア……のハズだった! 日本の法規に阻まれた「日産エクサ」という残念なクルマ

この記事をまとめると

■日産エクサという車種を紹介

■クーペとワゴンスタイルのキャノピーモデルがラインアップしていた

■形状を変えられる機構を持っていたが、日本の法規ではどちらか片方に固定が条件だった

ボディ形状が変えられる……はずだった珍車

 1986年10月に登場したスペシャリティクーペの日産エクサ。これは、1982年に登場したパルサーエクサの実質的な2代目モデルとなっており、KEN13型という型式からもわかるように、3代目パルサーをベースとしたものとなっていた。

 ただこの代では、車名からはパルサーの名前が外れ、独立した車種となっていたが、先代と同じくリトラクタブル式ヘッドライトを備えたスタイルなど、共通点は多く存在していたのである。

 そんなエクサだが、やはりもっとも特徴的だったのは、着せ替えを前提としたボディスタイルであることは間違いないだろう。フロントセクションは共通ながら、リヤのハッチ部分が脱着式となっており、ノッチバックスタイルとなる「クーペ」と、シューティングブレーク風のスポーティワゴンスタイルの「キャノピー」という2種類のリヤゲートが用意されていたのだ。

 ただし、日本の法律では車検上の「車体の形状」の記載がクーペでは「箱型」、キャノピーでは「ステーションワゴン」と異なるものになってしまうため、同一車両での載せ替えが不可能で(車検証の記載変更が必要となってしまうため)、どちらか一方の車型を指定して購入するほかなかった。

 そのため、日本仕様では購入後にユーザーがリヤセクションを容易に交換できないように異なるヒンジを採用する念の入れようだったのである。

 ちなみに現在、「ドレスフォーメーション」と称して外板パネルを交換することが可能なダイハツコペンは、車体の形状はもちろん、全長や全幅なども変更がなく、車検証の記載変更が不要であるため交換可能となっているワケだ。

 そんなエクサだが、そのエクステリアデザインを北米の日産デザインスタジオが手がけていたことからも分かるように北米のマーケットをメインに据えており、全車にTバールーフが備わっていたのも、サンルーフ需要の高い北米マーケットを意識したものだったのだ。

 エンジンも日本仕様は直列4気筒DOHCの1.6リッターモデルのみのラインアップとなっていたが、北米仕様では安価なSOHCの1.6リッターモデルのほか、DOHCの1.8リッターモデルも用意されていた(1.8リッターモデルは1988年モデルより追加)。

 このように、北米地域をメインターゲットとしていたことは日産も一切隠すことなく、日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞記念の「エクスポートパック」や、「LAバージョン」など、北米を意識した仕様を設定するなどしていたが、1990年にベースのパルサーがフルモデルチェンジを実施したタイミングでカタログ落ち。エクサの名前もここで途絶えることとなった。

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