この記事をまとめると
■加速性能が同じクルマであっても「加速感」は異なることがある
■クルマの「加速感」を左右するモノについて解説
■音、視界、駆動方式、シートなどさまざまな要素が挙げられる
音や視界が加速感に影響
「胸のすくような加速」という言葉があるが、加速感というのは何で決まるのだろう?
その前に、加速度についておさらいを。
物理学者のニュートン先生は、「物体に力が加わると、その力の大きさと物体の質量に比例した加速度が生まれる」と「運動の法則」を公式化した。
要するに加速度とは「力を質量で割った値」のことで、もっとわかりやすくいうと、パワーウエイトレシオが小さいほど加速がいいというハナシ。
もうひとつ、加速度とは「単位時間(1秒)あたりの速度の変化の大きさ」でもある。発進から100km/hに達するまでにA車が6秒で、B車が7秒かかるとしたら、A車の必要時間が1秒短い分だけ、加速性能が優れているということになる。
当然、こうした物理的に加速がいいクルマは、加速感だっていいわけだが、仮にゼロヨンのタイムが同じであっても、加速感には違いがあることもある。
その加速感を左右する要因は何なのか。
まずは音。エンジンの音が大きく、高回転まで回れば加速感は増してくる。次に視界。目線が地面に近ければ近いほど加速感を味わえるし、道が狭ければ狭いほど、同じ速さでも迫力を感じる。
風切り音や風そのものもけっこう重要。クローズドボディのクルマよりオープンカーのほうが、加速感を味わうには有利だ。
サスペンションの柔らかさや、ストロークも影響大。アクセルを踏んで加速をすると、クルマは慣性の力でスクウォート(フロントが持ち上がり、リヤが沈むピッチング)する。この姿勢変化が大きいと加速感も大きくなる。
そういう意味では重心が高いクルマのほうが、加速を感じやすいといえる。