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表面のゴムを張り替えて再生する「リトレッドタイヤ」! トラックでは当たり前なのに乗用車で使われないワケ (2/2ページ)

表面のゴムを張り替えて再生する「リトレッドタイヤ」! トラックでは当たり前なのに乗用車で使われないワケ

この記事をまとめると

■トレッドを貼り替えるリトレッドタイヤは経済的にも環境的にも効果が高い

■リトレッドタイヤにはプレキュア製法とリモールド製法のふたつの製法がある

■乗用車のタイヤはサイズバリエーションが多く、リトレッドタイヤを採用すると逆にコストがかかってしまう

再利用を可能にしたエコなタイヤ

 トラックなどで採用されているリトレッドタイヤ。摩耗したトレッドを張り替えて再利用するというタイヤだ。何度か再使用することでコスト削減や環境負荷の低減が可能となる。経済的(エコノミー)にも環境的(エコロジー)にも有効なのだ。それならば、一般的な乗用車でもリトレッドタイヤがほしいと思うかもしれないが、現在のところ基本的にトラックタイヤのみだ。その理由はなぜなのだろうか。

どんなタイヤも再利用可能という訳ではない

 トレッドを張り替えることで、再利用を可能とするトラック用や航空機用を中心としたリトレッドタイヤ。資源使用料を50%、CO2排出量を48%削減することが可能で、トラック用で考えた場合、価格も3分の2ほどに抑えることができる。そのため、環境と経済に優しいタイヤと言える。

 しかし、どんなタイヤでも再利用可能という訳ではない。たとえばブリヂストンの場合、目視と触った感触によって、内面と外面を徹底的に人がチェックする受入れ検査のあとに、高電圧による非破壊検査を行って目には見えない貫通キズを検査、そして最後にシアログラフィ検査機器によって外見からは判断できないタイヤ内部の損傷を検査する。この3つの検査をパスしたタイヤがリトレッドタイヤとして再利用される。

 なお、リトレッドは基本的に1回とされている。しかし、最近は2回以上のリトレッドを可能にしたタイヤも存在している。また、前輪では使用しないようにとタイヤメーカーはアナウンスしている。後輪であっても使用条件が過酷な位置(シングルの遊輪など)での使用は避けるようにアナウンスされている。

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