この記事をまとめると
■北海道でG7環境相会合が行われ、2035年までにCO2の50%削減に取り組むことで合意した
■一方で上海モーターショーでは、ローエンドからハイエンドまでBEVの階層化が顕著になってきた
■日本メーカーはようやくBEVをラインアップに加え始めた段階で明らかに中国メーカーの後塵を拝している
BEVのフェーズが次の段階へと移りつつある
北海道で開催されていたG7(主要7か国)環境相会合において、自動車分野の脱炭素化として、G7各国の保有台数ベースにて、2035年までに2000年比でCO2の50%削減に向け取り組むことで合意した。報道によると欧州サイドはBEV(バッテリー電気自動車)も含むZEV(ゼロエミッション車)の普及目標を明記すべきと主張したようだが、それを議長国である日本がHEV(ハイブリッド車)も含む二酸化炭素削減目標に押し切ったとしている。
さらに「今回はなんとか逃げ切ることができた」という日本政府関係者からとするコメントを紹介するメディアもあった。筆者としても「逃げ切る」という表現はまさにぴったりのように感じた。
日本が議長国でもある今回のG7会合のような報道では、日本の大手メディアは日本政府バンザイのような報道が目立つのだが、この環境相会合の報道ではやや批判めいた報道が目立っていたのは、ようやく大手メディアも日本の自動車産業が置かれている現状を直視するようになってきたのかなぁとも感じている。
このG7環境相会合の報道とほぼ時を同じくして、中国の上海で「第20回上海国際汽車工業展覧会(上海モーターショー)」が開幕した。中国のモーターショーで展示車がBEVだらけというのは、すでに中国メーカーや欧州メーカーあたりではとっくに当たり前のことでいまさら驚くことではないが、報道を見る限りではそのフェーズがすでに数段階変わってきているように感じた。
単純にBEVというのではなく、中国メーカーでもローエンド(日産サクラのようなコスト優先車)や、ハイエンド(欧州プレミアムブランドのBEVのようなもの)など、BEVの階層化がさらに進み、ラインアップにさらに厚みが出てきているように感じた。