多種多彩なBEV路線バスがソウル市内を走っていた
見た目はBEV路線バスで統一されているようで、いずれも日本のトヨタ自動車のFCEV路線バスとなる「SORA」にイメージが似ている。車内は日本の路線バスと大きく変わることはなく違和感はなかった。前扉乗車となり、乗車時にICカードをタッチし、中扉からの降車時にもタッチしていたので筆者もそれに従った。第一次韓流ブームのころにソウルを訪れた時には、ソウル市内の路線バスといえば扉も締めずに暴走という表現が似合うほどの勢いで走っていたのを記憶している。しかし、いまは運転士さんも親切で外国人でも安心して乗ることができたのは驚きであった。
※写真はイメージ
とにかく一番驚いたのは、乗り比べができるほど多種多彩なBEV路線バスがソウル市内では当たり前のように走っていたこと。もちろん、まだまだ従来の内燃エンジンを搭載する車両のほうが目立つが、これも代替時にはBEVやFCEVになるのは容易に察しがつく。
日本の若者の間では、「韓国のほうが日本より先進国」と感じる人が多いと聞く。それがなんだという人もいるかもしれないが、世界とまではいかないものの、自国だけでなく中国メーカーのBEV路線バスまで、多くのメーカーのBEV路線バスが街を走る姿を見ると、韓国のほうが先進的に見えるというのも納得してしまう。
東京都内は、パラパラとFCEV路線バスが走っているだけで、あとはCNG(液化天然ガス)ではなくディーゼルエンジンバス(しかもハイブリッドでもない)が新車としても入れ替えられているのが現状。
いまのソウル市のような風景が見られるまでには、まだ時間がかかりそうなのは確かであり、筆者の経験では、インドネシアの首都ジャカルタや台湾の台北あたりでもBEV路線バスが多く走っていることを目の当たりにしており、東京をはじめ日本のいまのディーゼルバスばかりの風景を見て訪日外国人のなかで、先進性云々を抜きにしても違和感を覚える人が少なくないのではないかと筆者は考えている。