この記事をまとめると
■カーナビの「ストラーダ」と同じ名前を持つ三菱のピックアップトラックを紹介
■誕生した当初は日本での展開は予定がなく海外専売車であった
■1996年に2代目ストラーダが登場しているほか、同車はタイの工場で生産されていた
カーナビではない三菱のピックアップトラック
クルマ関連で“ストラーダ”と言えば、パナソニックからリリースされているカーナビゲーションシリーズを思い浮かべる人が多いだろうが、じつはそれ以前にクルマの名前としても使われていた。それが1986年に初代モデルが登場している「三菱ストラーダ」である。
この三菱ストラーダはいわゆるピックアップトラックであり、それまで存在していたフォルテの後継車種として登場。ただし、日本国内ではピックアップトラックの需要がそこまで高くなかったこともあり、当初は海外専売車としての登場となっていた。
しかし、1980年代後半から巻き起こったRVブームの影響もあってか、1991年5月より日本での販売をスタート。海外向けには一般的なシングルキャブ仕様も存在していたが、レジャーユースをメインに見込んだ日本仕様はすべて5人乗りのダブルキャブ仕様となっている。
パワートレインは2.5リッターのディーゼルターボ、駆動方式はパートタイム式4WDとRV車に求められるスペックは備えていたが、5速MT仕様しか設定されていなかったのが玉にキズだった。
1996年に2代目にフルモデルチェンジを果たしたストラーダは、日本国内でも1997年6月から2代目モデルの販売をスタート。
国内仕様のボディタイプは先代に引き続き5人乗りのダブルキャブ仕様の1種類で、2.5リッターディーゼルターボやパートタイム式4WDのパワートレインも共通。ただ、5速MTのほか、待望の4速ATが追加されている。
グレードはモノグレード展開となったが、内外装の質感は大きく向上。働くクルマがベースであることが明らかだった初代モデルに比べ、内装はとくに大きく乗用車風に進化しており、後ろを振り返らなければ乗用車と言われてもおかしくないレベルに仕上がっていた。
また、乗り心地や操縦安定性も大きくレベルアップしており、フロントには2ポッドのキャリパーとベンチレーテッドディスクを備えたブレーキを採用したほか、ABSを標準装備するなど、安全性も高められている。
1998年10月のマイナーチェンジではヘッドライトとグリルの形状を改めて異形ヘッドライトを採用し、より乗用車感を強めたほか、ステアリングやシート地を変更。助手席エアバッグの追加やエンジンの吸気音低減など、より快適な車両に進化していたが、国内のピックアップトラック需要の縮小もあって、翌年には日本国内での販売を終了した。
ちなみにこの2代目ストラーダはタイの工場で生産したものを日本国内に輸入して販売されており、三菱初のタイからの輸入販売車となっている。いまでこそタイで生産された車両を国内で販売するケースも珍しくないが、三菱には先見の明があったということなのかもしれない。