この記事をまとめると
■メルセデスAMG SLにSL 63 4MATIC+が追加された
■最高出力585馬力の4リッターV8ツインターボエンジンを搭載する
■SLの70年の歴史で初めてとなる4輪駆動の「4MTATIC+」を採用
新型SLにV8ツインターボ搭載の4輪駆動が用意された
1952年のル・マン24時間レースを制覇した300SLをベースに、1954年に初代モデルが誕生したSLクラス。以来、メルセデス・ベンツの2シーターオープンスポーツのフラッグシップとして70年に渡ってラインアップされており、2021年には第7世代となるモデルが誕生している。そしてこの第7世代SLから、メルセデス・ベンツではなく、メルセデスAMGが車両開発を担当するモデルとして生まれ変わったことも話題となった。
日本にもこの第7世代SLは、2022年4月よりすでに導入が果たされているが、そのラインアップは、2リッター直4DOHC電動ターボを搭載するSL 43のみとなっていた。そしてこの度、待望の4リッターV8ツインターボを搭載するSL 63 4MATIC+の日本導入が発表された。
さて、SL 63 4MATIC+注目のパワーユニットであるが、メルセデスAMGが完全自社開発した最高出力585馬力、最大トルク800Nmのパフォーマンスを誇る4リッターV8直噴ツインターボの「M177」を搭載する。
このM177は、メルセデスAMG GT 63 Sにも採用される現在のメルセデスAMGを代表するエンジンで、アルミニウムクランクケースに鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせ、軽量でありながらも耐久性の高いパワーユニットとなっている。しかも、「Comfot」モードで走行中は、状況に応じて気筒休止するなど、燃料消費量とCO2排出量を抑えることができる「AMGシリンダーマネジメント」により、高い環境性能も備えている。
このM177エンジンを搭載するにあたっては、新しいオイルパンとインタークーラー搭載位置の変更、アクティブクランクベンチレーションシステムの採用など、SLに最適化が図られていることは言うまでもない。
さらに、エンジンと車体の接合部には、磁性流体の可変マウントであるAMGダイナミックエンジンマウントを採用、ドライビングの状況を検知した各種センサーからの情報入力により、マウントの硬さを自動調整する。例えば、通常走行時は柔らかいマウントによってドライブトレインからのノイズと振動を遮断。一方、ダイナミックなドライビング時には、マウントを固くすることでドライブトレインのロールモーションを抑えてクイックなコーナリングを実現するなど、状況に応じたセッティングをクルマ側が自動で行ってくれる。
トランスミッションにはAMGスピードシフトMCT9速トランスミッションが採用されており、特別なチューニングによってダイレクト感ある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現。シフトダウン時の自動ブリッピング機能やレーススタート機能によってダイナミックな走りを提供してくれる。
ドライブモードには滑りやすい路面や凍結路面に対応する「Slippery」、快適で低燃費な走りをサポートする「Comfort」、スポーティな特性の「Sport」と「Sport+」、好みに応じてここのパラメーターを選択できる「Individual」、サーキットでのハードな走行に適した「Race」の6つを用意している。