何気なく通っている「トンネル」には等級があった! 意外と知らない裏話

この記事をまとめると

■トンネルにはそれぞれ等級が与えられている

■長さだけで区別されているのではなく、交通量も関わっている

■等級によって防災対策が異なっている

トンネルはそれぞれ等級分けされていた!

 山の多い日本において最短距離で道路を通そうと思うとトンネルは欠かせない手段となる。高速道路では長いトンネルを見かけることも多く、また海底をくぐり抜けるようなレイアウトのトンネルも珍しくない。

 そんなトンネルは等級によって区分されていることは、ご存じだろうか。正確にいうと全長100m以上のトンネルについては、AA・A・B・C・Dの5段階に区分されている。

 その区分はトンネルの長さと1日の交通量という2つの条件によって決められる。

 全長500m以下で1日の交通量が2万台以下であればD等級となり、逆に全長が1万mを超えるか、1日の交通量が4万台を超えると最高ランクのAA等級となる。

 なお、長さにかかわらず交通量が4万台/日を超えるようなトンネルについては、個別に等級を定めることになっている。

 なぜこのような区分が定められているのか、それは防災対策のためである。長かったり、交通量が多かったりするトンネルで、もし火災などの大きなアクシデントが起こってしまうと二次災害も拡大することが予想されるからだ。

 そのため、AA等級のトンネルにおいては、火災検知器や水噴霧設備、排煙設備および避難通路などの原則設置が定められている。

 1つ下となるA等級のトンネルにおいても消火栓設備は原則設置となっている。さらに、誘導表示板についてはAA・A・Bの各等級において原則設置、非常電話はC等級以上のトンネルについて原則設置となっている。

 基本的には、火災などのアクシデントが起きたときの安全性を確保する基準となるのがトンネルの等級といえる。根本的には安全性が基準となるため、長さや設備だけを見て、「このトンネルは●等級だ」と判断することは難しい。

 長さが750m程度だとしても交通量が多ければA等級になることもあり、避難通路が設置されていることもあり得る。このようなケースでは避難通路は必要となっても、排煙設備は不要と判断されることもある。

 一方で、A等級とされるトンネルであっても全長が長い場合には排煙設備などの設置が求められることがある。費用対効果と安全性のバランスを考慮してトンネルの等級が定められている面もある、といえそうだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
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