橋の上が駐車禁止の条件を満たすこともある
また、「道路(車道)の左側端に沿う等正しい方法で駐車した場合、車両の右側の道路(車道)上に3.5メートル以上の余地がない場所」は無余地場所として駐車禁止となっている。
道幅が狭い橋であれば、この条件を満たすこともあるだろうが、やはり橋の上だからという理由で駐車禁止になることはないといえる。
では、橋の上は駐車禁止という噂はどこから生まれたのだろうか。
たとえば、平成元年(1989年)に開通した横浜ベイブリッジにおいては、眺めがいいデートスポットということで当初は路肩に駐車するクルマが少なくなかった。バブル全盛期であり、いわゆるデートカーを路肩に止めて夜景を眺めるカップルが中心だったという印象がある。
ただし、ベイブリッジは首都高速道路のため、橋の上に限らず全線において故障以外での駐停車は原則禁止とされている。それを根拠にベイブリッジでの駐停車禁止が強く啓蒙されてきたという経緯がある。
同様に、観光スポットとなっている橋については一般道であっても標識によって駐車禁止となっていることが多い。
こうした背景もあって、映える写真が撮れたり、眺めがよかったりするような橋の上は駐車禁止という認識が広まった可能性が考えられる。
まとめると、橋の上という条件だけでは駐車禁止とはいえない。
駐車禁止の標識がなく、十分な余地があればクルマを駐車したからといってそれだけで道路交通法違反と指摘はできないといえる。
ただし、橋の上というのは車線の余裕がないことが多く、駐車していると交通の流れを妨げるばかりか、一歩間違えれば落下事故につながるような危険性もある。クルマの故障などの緊急事態で止まってしまうのは仕方ないとしても、可能な限り橋の上での駐停車は避けるが吉と認識しておくべきだろう。