C5 Xは歴代フラッグシップモデルをモチーフに
デザインがクラウンクロスオーバーに似ている車種としては、フランスのシトロエンC5 X。本国でのデビューはこちらが1年だけ早いので、開発はほぼ同時並行で進んでいたのだろうが、ボディサイズは近いし、プライスレンジも重なっている。
ただクラウンのデザインが、これまでの系譜を潔く断ち切ったのに対し、C5 XはCXやXMなど、歴代シトロエンのフラッグシップをモチーフにしている点は対照的。乗り心地もそうで、とくにプラグインハイブリッド車が採用するアクティブサスペンションは、かつてのハイドロニューマチックの再来と呼びたくなる。
最後に価格で見ていくと、クラウンクロスオーバーの価格帯は、電気自動車(EV)の激戦区であることに気づく。しかもひとまわり小柄なクロスオーバーのパッケージングを持つ車種が多い。
そのなかでの推しはテスラ・モデルY。デザインが群を抜いて新鮮で、洗練されているうえに、電費が比較的良好。加えてスーパーチャージャーと呼ばれる専用の急速充電器が大出力であることもポイントになる。
EVは自宅充電が基本ということは知っている。しかし外出時に充電しなければならないことがないとは言えない。そんなときには短時間で多くの充電ができたほうがいい。これがスーパーチャージャーに惹かれる理由だ。
大出力の急速充電器はVWグループも配備しているけれど、EUの2035年ゼロエミッション法案にドイツが土壇場でe-Fuelをねじ込んだことを考えると、彼らが現在のEV戦略を続けるかどうかはわからない。この点ではEV専業のテスラのほうが信頼できるのではないだろうか。