この記事をまとめると
■クルマの室内にはさまざまな装備を作動させるためのスイッチが多数配置されている
■単なる機能部品ではなくデザインされたものも多い
■今回は意味もなく触りたくなる個性的なスイッチをもつクルマを紹介する
美しくデザインされたスイッチをもつクルマ
クルマに乗っているときに、必ずどれかは操作するさまざまなスイッチ。使い道は、エアコンやオーディオ、シートヒーターや窓の開閉などなど。昨今は声で認識して操作できる機能も進んできたとはいえ、やっぱり物理的なスイッチはデザインのポイントとしても重要な役割を果たしています。
少年の心をワシづかみにするコクピットのようなスイッチもあれば、美術館のアートのように優雅なスイッチも。今回は、ドアを開け、シートに座った瞬間に「わぁっ」と心が沸き立つような、スイッチが特徴的なクルマをご紹介したいと思います。
まず1台目は、1954年のデビューからアメリカンスポーツカーの頂点に君臨し続ける、シボレー・コルベット。2019年に登場した8代目は、コルベット史上初のミッドシップレイアウトを採用。6.2リッターのV8エンジン+8速ATを搭載し、日本仕様に右ハンドルが採用されたことなど、話題となるポイントが多いモデルです。
デザインのカッコよさに一目惚れする人も多かったのですが、外観よりもインテリアにびっくりする人続出。というのも、運転席と助手席をきっちり区切るようにそびえる、ズラリ並ぶ断崖絶壁スイッチが斬新すぎたからでしょう。エアコンの温度調整、風量調整、内気&外気切り替え、風向きモード切り替え、シートヒーターが運転席と助手席それぞれのスイッチとして縦一列に配置されていて、慣れないうちは「えーっと、どこだっけ」と指が迷子になるほどです。
でも、小さなスイッチがコクピットのように並ぶ光景は「メカメカしくてテンション上がる」という男子も多く、これはこれでコルベットらしい世界観の演出といえるのかもしれません。ちなみにハザードスイッチがなかなか見つけられない人も多いのですが、天井に配置されているのも面白いですね。
2台目は、ブランドのアイデンティティとして常に「ネコ科の猛獣」が掲げられているプジョーのコンパクトモデル、208。2020年にデビューし、1.2リッターガソリンモデルと100%EVをラインアップしています。
デビュー時から注目されたのが、そのデザインのあちこちに仕込まれた猛獣モチーフ。外観でも牙のように縦に長いライトや爪痕のようなテールライトが特徴的なのですが、全体的に未来感を印象付ける外観からドアを開けて運転席に座ってみると、センターコンソールにはなにやら存在感のあるカタチをしたスイッチが、エアコンアウトレットの下に並んでいます。
これはライオンの鉤爪をモチーフにしたというもので、見た目のインパクトがありながら、指で押したときのしっかりとした感触がよく、大きさも指にちょうどフィットして、使いやすさも考えられていると感じます。メタリックと黒のスイッチがメインのなか、重要なハザードスイッチだけ赤で塗られているのも、良心的ですね。また、メーターは文字やアイコンが宙に浮かんでいるように映る、3D-iコックピットを採用していて、その未来感とアナログ感の融合がさらに素敵な空間となっています。