「軟派」なS13シルビアと「アスリート」な180SX! 最強ドリ車兄弟はまったく性格が違っていた (2/2ページ)

デートカーが衰退してもスポーツカーとして残ったシルビア

 なお、兄弟車の180SXはシルビア登場の1年後の1989年5月に追加されているが、もともとは北米市場で「240SX」の名前で販売されていたモデルの国内版となっており、リトラクタブルヘッドライトを備えるフロントやハッチバックタイプとなるリヤセクションこそシルビアと異なる形状となっていたが、プラットフォームは共有となっており、兄弟車であることは間違いない。

 この180SXはシルビアとは明確な差別化を狙っており、まったく異なるテイストのエクステリアのデザインはもとより、エンジンラインアップもターボエンジンのみとなるなど(のちにNA仕様も追加)、どちらかというとスポーティな性格を強めたものとなっていた。

 このように、スペシャリティクーペのシルビアとスポーティな180SXと、キャラクターをわけていた両車だが、1991年1月のマイナーチェンジのタイミングでエンジンを1.8リッターから2リッターへと変更。これはただ排気量をアップさせただけでなく、前期型のCA18系からSR20系へと異なる型式のエンジンに換装されていた。

 そして、1993年10月にはシルビアがS14型へとフルモデルチェンジを果たすが、ここでシルビアが3ナンバーサイズとなったことで、180SXはS13型のまま継続販売がなされ、結局、再び5ナンバーサイズに戻ったS15型シルビアが登場する1998年末まで生産が続けられることとなった。

 このようにもともとはスペシャリティクーペとして生まれたS13型シルビアではあるが、デートカーとして生まれ、デートカーとして消えていったプレリュードとは異なり、FRレイアウトやターボエンジンを設定していたほか、古くからモータースポーツにも参戦していたことでスポーティなイメージも持ち合わせていたことが功を奏した。

 シルビアは、2002年にS15型が終売して20年以上が経つ現在でもなお、多くのユーザーに愛されるモデルとして存在し続けているのである。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
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長距離ドライブ
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