当時の雰囲気を壊さず長年乗れるクルマに仕上げる
展示車のスカイラインRSターボはデモカーだというが、これとて特別なことは一切しておらず、ボディ板金やエンジンのオーバーホールは信頼できるガレージに任せて、補機類はバラしてキレイに掃除して磨いて、すべての要素が仕上がったら再度、池谷さんが組み付けていくのだという。
「じつはオリジナルにとことんまでこだわるということはないです。乗り続けるにはハードルが高くなるというか首を絞めることにもなるので、オリジナルに近い雰囲気を大事にするという方向。シートもBRIDEのバケットに合わせて、リヤは同じ布地で張ってもらったんです。ホイール&タイヤも、DR30ではノーマルのまま乗り続ける人は少ないですから、雰囲気を壊さないものを選んだだけ。ボンネットのキャッチは再メッキしていますけど、オリジナルのままだとむしろ錆びてボディにダメージを及ぼしかねない。でも見てください、ボンネット裏の注意書きステッカー。こういう、やれるものはオリジナルの通りに再現するんですよ」
レパードのほうは、元のオーナーの乗り方がよくて程度もよかっただけですと謙遜するが、インテリアカラーと合わせたシートのハーフカバーと毛足の長いマットは、まさしく黄金期のハイソカーのテイストが薫りまくる。
寄せる年波に抗うのではなく、加齢を受け入れて相応の歳を重ねるからこそ、現役のときより輝いて見える。そういう価値あるクルマであることを再認識させてくれる展示だからこそ、来場者が足を止めて、でかぶりつきで見ていたのだろう。