ヒンジステーの外側が少し削り取られていた
クルマのキーをもってきてくれたスタッフが、室内のフューエルリッド開閉レバーを引くと、オリジナルボディとワントーンのパールホワイトに塗られたフューエルリッドが通常通り、ポップアップした。見ると厚みが増している通り、この可動部分となるリッドは、ノーマルのフューエルリッドの上に強力な両面テープで貼り付けられている。しかし、リッドを90度近くまで全開にしてもフェンダー側に当たらないようにするにも、そこはノーマルリッドの裏にあるヒンジステーの長さ次第。
というわけでクールのこのGR86に関しては、ノーマルリッドのヒンジステーの外側が、少しだけ削り取られていた。こうしてワイドになったフェンダーに対しても、ノーマルリッドに元々あった「逃げ」が拡げられ、新たに取り付けられたフェンダーに干渉しないというワケだ。干渉しないとはいえ、ワイドフェンダーの最上部に多少のくぼみを与えることで何とか実現しているのだから、それこそミリ単位のトレードオフともいえる。
そもそもノーマルのフューエルリッドは樹脂製パネルなので、多少の削りは容易だし、塗装がなくなってしまうエッジ面も貼りつけたフューエルリッド外層でほぼ隠れてしまう。交換するにも板金修理ではなく、パネル交換でいけるパーツではある。しかもくぼみが空力的にもありえそうな美しい形状だけに、後付け感がないところもさすが、クール・ジャパンならではの質の高いデザインといえるだろう。