レクサス史上最高峰の乗り心地と環境を提供
さて、そんな「LM」に必要な要素として欠かせないのはなんと言っても「乗り心地」だろう。ショーファードリブンMPVとして、ここはもっとも重要なポイントと言えるかもしれない。そんな同車だからこそ今回はボディ骨格強化のために、次世代レクサスが一貫して取り組んでいる「素性の刷新」を新型LMでも実践。ラジエターサポートブレース/ロッカーストレート構造/リヤ床下ブレース/クォーターピラー部リインフォースメント設定などにより、従来型比で約1.5倍のボディねじり剛性を確保している。アッパーボディやフロアには構造用接着剤を採用しており、これが振動の軽減に効果を発揮しているとのこと。
また、シート開発では、どこに座っても心身ともに自然体でいられるよう乗員の身体の動きを徹底的に分析し、頭部の揺れの軽減と視線の安定化を図っている。これにより、ゲストが座る重要な2列目シートでは、停車時から走行時まで乗員を優しく包み込みながら支える構造となっている。この自慢のシートには、特性の異なる2種類の衝撃吸収材を使用している。
ステアリングを握るドライバーが座るフロントシートは、座面の面圧分布を最適化し、旋回時のGの大小にかかわらず身体をホールドする仕立てで、疲労を軽減する座り心地と、クルマとの対話に集中できる環境を追求している。「ただ運転できればいい」ということで終わらないのがレクサスらしいポイントと言えよう。同時に、今回の「LM」では、シンプルなインパネとコンソールが特徴的なレクサスのコックピット思想「Tazuna Concept」も採用している。
そのほか、リニアソレノイド式アクチュエーターと周波数感応バルブを併用した「周波数感応バルブ付きAVS」をレクサス初採用とし、低周波から高周波までの幅広い領域できめ細かく減衰し振動を軽減するほか、後席の快適性を重視したドライブモードセレクト「Rear Comfort」というモードもレクサス初採用。これは、AVSの減衰力特性は後席の乗り心地を優先しつつ、アクセルやブレーキを統合制御するシステムだ。使用することで、加減速時の姿勢変化がより少なくなるとのこと。
静粛性ももちろんトップクラスに高いのは言うまでもなく、レクサスは今回の「LM」を仕上げるにあたって、「心地よく感じる自然な静けさ」というのにこだわったそうだ。
アームレストとオットマンにもシートヒーターが採用されているほか、パーティションの上部中央には、乗員と周辺温度を検知する後席専用の「温熱感IRマトリクスセンサー」というのも装備されている。これは、乗員の顔、胸、大腿、下腿の体の部位を4つに分け温熱感(温かさ/冷たさ)を推定することで、エアコンやシートヒーターなどを一括コントロールするというもの。とにかくこの「LM」は、徹底的に乗員をおもてなしするクルマとして極められているのだ。
なお、一般的なミニバンと同じ3列シートの6/7人乗りも設定されている。
先進安全装備はもちろんフルで装備されており、レクサスではRXに続く2モデル目となる「Lexus Safety System +」を「LM」では採用。ドライバーと乗員の安全をしっかりと守るシステムもバッチリだ。
現在発表されているスペックは、2.4リッター直列4気筒ターボハイブリッドシステム[eAxle]を搭載した車両と、2.5リッター直列4気筒ハイブリッドシステム[E-Four/FF]を搭載した2モデル。
ここまで豪華なミニバンともなれば、価格はかなりの額となるだろうが、待望のレクサスのミニバンがやってくるとのことで、実車を見れる日を心待ちにしたい。