ポルシェ史上最大級のアップグレードを実施! デジタル化によりドライバーエクスペリエンスが向上した新型カイエンが登場 (2/2ページ)

エクステリア&パワートレインもアップグレード

 エクステリアでは、アーチを強めたフェンダーや新形状のボンネットなど、フロントエンドの意匠変更により、幅広さを強調した安定感のあるスタイリングを手に入れた。リヤエンドのデザインは、立体的にデザインされたテールライトやシンプルなデザインのバンパー、ナンバープレートホルダーを一体化した新しいリヤエプロンなどが特徴だ。

 新たにボディカラーが3色追加になっており、最大で33kgのダイエットを可能とする軽量スポーツパッケージ、20・21・22インチホイールの豊富なラインアップなどにより、オーナーの好みに応じたパーソナライズの幅も広がっているのはうれしい。

 また、新型カイエンでは、マトリクスLEDヘッドライトが標準装備となっているが、新たなオプションとしてHDマトリクスLEDヘッドライトも用意された。これは、ふたつの高解像度モジュールと、3万2000以上の画素で構成された各ヘッドランプが、他車を識別するとハイビームを画素単位で遮断することで、他車のドライバーの眩惑を防ぐ。さらに、モジュールの明るさは走行状況に応じて1000段階以上に調節可能で、さまざまな走行状況での安全性と快適性が向上している。

 新型カイエンに用意されるパワートレインは、カイエンSの4リッターV8ツインターボ(474馬力/600Nm)とベースモデルの3リッターV6ターボ(353馬力/500Nm)、そしてカイエンE-ハイブリッドの3リッターV6ターボ+電気モーター(システム最高出力470馬力)の3種類。

 とくにカイエンS用に用意されたV8ツインターボは今回のマイナーチェンジからの新搭載であり、最高出力は従来モデルよりも34馬力アップ。0-100km/h加速4.7秒を実現するなど、フラッグシップらしい走りを手に入れている。そのほか、3リッターV6ターボも先代比13馬力アップを果たしているなど、進化を果たしているのも見逃せない。なお、カイエンE-ハイブリッドは、バッテリー容量を17.9kWhから25.9kWhへと増大しており、それに合わせて電気のみによる航続距離も最長90km(WLTP)となっている。

 パワートレインの進化に合わせて、足まわりもアップグレードされた。新型カイエンでは、工場出荷時にポルシェアクティブマネージメントシステム(PASM)を含むスチールスプリングサスペンションが装備されることになった。新しいショックアブソーバーは、低速走行時の快適性やコーナリング時のハンドリング、さらにはピッチとロールのサポートが向上しており、あらゆる走行状況で最適なパフォーマンスを発揮してくれる。

 加えて、新しいアダプティブエアサスペンションを装備すると、ソフトなサスペンション特性によりオンロード/オフロードでのハンドリングが用意となり、結果としてドライビングエクスペリエンスも向上するという。

 新型カイエンの価格は、ベースモデルが1198万円、カイエンE-ハイブリッドが1395万円、カイエンSが1561万円。クーペはベースモデルが1273万円、カイエンE-ハイブリッドクーペが1440万円、カイエンSが1644万円となる。

 高度なデジタル化により、さらに快適でラグジュアリーなポルシェとなったカイエン。願わくばパフォーマンスの向上も「ポルシェ史上最大級のアップグレード」であってほしかったところだが、それは贅沢をいいすぎだろうか。いずれにしても新型カイエン、ポルシェ史上でもっともラグジュアリーなモデルとなったことだけは間違いなさそうだ。


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