この記事をまとめると
■4月14日から16日の期間で千葉県にてオートモービルカウンシルが開催された
■メーカーブースにはコンセプトカーが展示されていた
■この日のためにレストアされたモデルもあった
気になるコンセプトカー2モデルを徹底観察!
4月14日から16日まで、千葉県千葉市の幕張メッセで開催された「AUTOMOBILE COUNCIL 2023」。「過去から現在、そして未来へ」をテーマに新旧約150台の名車が展示されましたが、今回は、そのなかからメーカー系ブースに注目。後編としてコンセプトカー2台のデザインを振り返ります。
イタリアンデザインの近未来ハッチバック
1台目はマツダブースに展示された「MX-81」。当時の東洋工業が1981年開催の東京モーターショーに出品したコンセプトカーで、ベースは大ヒットした5代目ファミリア。その「ファミリアが10年後にどうなるか?」をテーマに、イタリアのカロッツェリアであるベルトーネにデザインを委託したものです。
マツダのMに未来を示すXを組み合わせた「MX」の名称を初めて使った同車は、発表当時、大きな話題となりましたが、その後は40年以上に渡ってマツダの工場内にひっそりと保管。それが2021年にトリノでフルレストアされ、今回あらためてのお披露目となりました。
10年後にはより空力を意識するであろうことを想定し、フロントはリトラクタブルライトを用い、低さとスッキリした表情を獲得。これが、1989年発売のファミリア アスティナを想起させるのが面白いところです。
ボディは深く掘られたキャラクターラインによって、明快に上下2分割されています。これは量産も含めて80年代によく見られた手法ですが、ボディ構造自体まで切り込んだ表現はコンセプトカーならでは。そのラインから上を広大なガラスキャビンとしたところが秀逸ですが、ここも80年代特有の大きなキャビンを先取りしたと言えます。
また、ミッドフレームウインドウ風のピラーと組み合わせたシルバーのドアハンドルは、たとえばジウジアーロのAZTEC(アズテック)のような未来感を醸し出し、アクセントとしても巧妙です。さらに、曲面ガラスによるリヤハッチに沿ったL字型のランプは、90年代以降の流行を予感させます。
回転式のインパネなどインテリアもまた近未来的ですが、ひし型格子のシートなどは手作り感もあって不思議な感覚。何より内外装でコーディネイトされたブラウン系のカラーは、最近の黒一色の内装にはない暖かさが感じられるのです。