「未来感を表現」した昔のクルマと「レトロ感を演出」した今のクルマ! 2台のコンセプトカーの対比がオモシロい (2/2ページ)

まるで輸入車のようなエクステリアをもつ国産EVスポーツを展示

メーカーを支えるプロ集団が生み出したEVスポーツ

 2台目は、ブースの中央に1台のみが展示されていたエイム「EV SPORT 01」です。エイムは、名古屋を拠点にクルマのエンジニアリングサービスを手掛ける企業で、実車ではなく、バーチャルでシミュレーションを可能とするモデルベースの開発を行っています。

「EV SPORT 01」は同社の「New Energy Vehicle プロジェクト」の一環で、2017年に開発したオリジナルモーター(最高出力は220kW!)を搭載した電動スポーツのコンセプトカー

 サイズは公開されていませんが、パッと見「コンパクト!」と感じるボディは、コンセプトカーらしく極限まで削られたオーバーハングが理由のよう。ただし、正面にまわると想像を超えた全幅に驚かされます。

 全体的にレトロ感覚な佇まいですが、アルファロメオ4Cあたりを思わせる楕円のランプはとくにそう。一方で、最新のEVらしいメッシュの小さなグリルとの対比がユニークです。

 余計なキャラクターラインのないボディサイドは、張りのある広大なショルダー面が圧巻です。この流れがリヤフェンダーに溶け込むのは常套手段ですが、とにかくそのボリューム感に驚かされます。また、リヤパネルでは、やはり最新のEVらしくエッジの効いたフチで囲まれ、空力のよさを感じさせます。

 スタイリングを手掛けたのは、元日産の中村史郎氏が率いるデザイン集団のSNデザインプラットフォーム。以前より付き合いのあったエイムとのコラボですが、いずれも大メーカーではない開発支援会社が手を組んだのが興味深いところです。

 さて、今回はコンセプトカー2台を取り上げましたが、1台は80年代の始めに10年先を見据えた近未来デザインであり、もう1台は2023年にあえてレトロなスタイルを取り入れたところが対照的です。こうした出会いがあるのも、自動車文化を支えるこのイベントの特徴なのかもしれません。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
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オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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