まるで輸入車のようなエクステリアをもつ国産EVスポーツを展示
メーカーを支えるプロ集団が生み出したEVスポーツ
2台目は、ブースの中央に1台のみが展示されていたエイム「EV SPORT 01」です。エイムは、名古屋を拠点にクルマのエンジニアリングサービスを手掛ける企業で、実車ではなく、バーチャルでシミュレーションを可能とするモデルベースの開発を行っています。
「EV SPORT 01」は同社の「New Energy Vehicle プロジェクト」の一環で、2017年に開発したオリジナルモーター(最高出力は220kW!)を搭載した電動スポーツのコンセプトカー。
サイズは公開されていませんが、パッと見「コンパクト!」と感じるボディは、コンセプトカーらしく極限まで削られたオーバーハングが理由のよう。ただし、正面にまわると想像を超えた全幅に驚かされます。
全体的にレトロ感覚な佇まいですが、アルファロメオ4Cあたりを思わせる楕円のランプはとくにそう。一方で、最新のEVらしいメッシュの小さなグリルとの対比がユニークです。
余計なキャラクターラインのないボディサイドは、張りのある広大なショルダー面が圧巻です。この流れがリヤフェンダーに溶け込むのは常套手段ですが、とにかくそのボリューム感に驚かされます。また、リヤパネルでは、やはり最新のEVらしくエッジの効いたフチで囲まれ、空力のよさを感じさせます。
スタイリングを手掛けたのは、元日産の中村史郎氏が率いるデザイン集団のSNデザインプラットフォーム。以前より付き合いのあったエイムとのコラボですが、いずれも大メーカーではない開発支援会社が手を組んだのが興味深いところです。
さて、今回はコンセプトカー2台を取り上げましたが、1台は80年代の始めに10年先を見据えた近未来デザインであり、もう1台は2023年にあえてレトロなスタイルを取り入れたところが対照的です。こうした出会いがあるのも、自動車文化を支えるこのイベントの特徴なのかもしれません。