旧車はオリジナルが絶対かカスタムOKか? それぞれの言い分を整理してみた (2/2ページ)

大がかりなカスタマイズをする人も!

カスタム派の言い分(純正戻し可能なレベル)

 ホイールやシート、ステアリングなど、費用はさておき、比較的交換するのが容易なパーツのみを厳選してカスタマイズするユーザーも一定数存在します。オリジナルの雰囲気を崩すことなく、できる範囲で自分好みにアレンジすることを「是」とする思想の人たちです。厳選するうちに守りに入ってしまい、必然的に定番カスタムになってしまうこともしばしば。ひと目で「あのクルマは○○さんの愛車」と認識してもらうまで個性を演出するのは難しそうです。

・オリジナルパーツの保護、保管が目的でカスタマイズするオーナーも多い

・オリジナルの状態を崩さない、逸脱しないレベルでカスタムする or したい

・気分を変えたい、ちょっと自分の色を出してみたいなど、比較的軽めのカスタマイズに留める

・純正戻しができない状態までの大規模なカスタマイズには抵抗がある

・時代考証も考慮してカスタマイズするので、割と定番になりがち

カスタム派の言い分(イケイケなレベル)

 オーナーの美学やこだわりに基づき、ベース車両をカッコ良くカスタマイズしたい、人とは被りたくないなど、固定観念にとらわれず独自の個性を「是」とする思想の人たちです。ボディに穴を開けたり、オーバーフェンダーを後付けしたり、ウィングを装着したり……。自分がカッコイイと思える仕様のためであれば、後戻りできないような大がかりなカスタマイズも厭いません。たまたまベース車両が旧車だったということなのかもしれません。

・自分好みのカッコイイ仕様に仕立てたい

・人と被りたくない

・純正やリプロ品、サードパーティー製にこだわりはない

・他メーカーや後年のモデルのパーツもカッコ良ければ迷わず流用

・リセールバリューは気にしない

結論:純正派とカスタム派は分かり合えるのか?

 結論として「分かり合えません」。分かり合えるように仕向けること自体、意味を成しません。

 コロッケにかけるのは醤油かソースか、はたまた「きのこの山」と「たけのこの里」か、さらには粒あんとこしあん、美味しいのはどちらか? を論じても、お互いがそれぞれの主張を譲らず(なぜか食べ物ばかりですが)、永遠に平行線のまま。

 無理やり優劣をつけるより、共存共栄の道を探る(つまり干渉しない)か、双方の影響が及ばないところで活動するのが得策といえます。

 オリジナル志向であろうと、カスタマイズ志向であろうと、そして海外へと旅立ってしまおうとも、そのオーナーがクルマが好きで大切に乗っているならそれでOK! という気がしています。投機目的の対象にされ、まるではく製のような状態になってしまうよりはいいのではないかと……いちクルマ好きとして思います。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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