HPEV=ハイパフォーマンス・エレクトリファイド・ヴィークル
これらのメカニズムを搭載するシャシーは、「モノセフレージ」と呼ばれる、こちらも新設計のカーボンモノコックだ。航空工学にインスパイアされたとランボルギーニ自身が語るそれは、リング状のCFRP製モノシリック・ロッカーリングを核に、それにタブやフロントのファイアーウォール、Aピラーなどのフォージドコンポジット製エレメントを接続する仕組みとなっている。
フロントセクションがやはりカーボン製となったことも大きな話題で、結果、レヴエルトのモノコックは、アヴェンタドール比で10%軽量。ねじり剛性は25%もの向上を果たした40000Nm/度という数字を実現するに至っているのだ。
エクステリアとインテリアのデザインは、やはりランボルギーニの作らしくじつに刺激的なフィニッシュだ。Y字型のデイタイムライトを採用したフロントマスクや、大きな開口面積を持つフロントグリルは、そのなかでも特に目立つ存在だが、ほかにも過去の12気筒モデルにモチーフを求めたと感じられるディテールは数多く見られる。
エアロダイナミクスも優秀だ。空力効率とダウンフォースは、アヴェンタドール比でそれぞれ61%、66%の向上。レヴエルトのアクティブ・エアロダイアミクス・システムはサスペンションにも連動しており、常に高いスタビリティをドライバーに感じさせてくれるということだ。
レヴエルトのドライバーは、ステアリングホイール上のロータリースイッチで、「チッタ」、「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」の各走行モードを選択することができる。さらに、ハイブリッドシステムの搭載に伴って、エレクトリックモーターの介入を制御する「リチャージ」、「ハイブリッド」、「パフォーマンス」の各モードも、走行モードとは別に独立して選ぶことができる。
ちなみにゼロ・エミッションのEV走行を行うためのチッタ・モードでは、最高出力は180馬力に抑えられるほか、ストラーダでは886馬力に、スポーツでは907馬力、そしてコルサでは1015馬力の最高出力が、V型12気筒エンジンと3基のモーターすべてを使用して発揮されることになる。
0-100km/h加速を2.5秒でこなす最新鋭のランボルギーニ、レヴエルト。ランボルギーニはそれをPHEVではなくHPEV=ハイパフォーマンス・エレクトリファイド・ヴィークルと呼んでいる。
まさに世界の頂点に君臨する実力を秘めたHPEV。噂によれば、すでにそのオーダーリストには2年近くもの長い列ができているともいうのだが。