大賞以外の部門でも韓国車が大躍進を果たした2023年
エレクトリックヴィークル部門は、こちらもヒョンデの「アイオニック6」。同車には電池容量が77.4kWhの上位グレードと53kWhの標準グレードがあるが、前者ではWLTPモードで満充電から610km以上の航続距離を実現。そのクオリティの高さも大きな魅力だ。BMWの「i7」、「ルシード・エア」を制しての受賞である。
アーバンカー、すなわち都会での使用を想定した小型車部門での受賞車は、シトロエンの「C3」。力強くモダンなスタイルや高いレベルのコンフォート性、そしてなによりその実用性が評価の決め手だったようだ。
ベスト3にはORAファンキーキャット・ハオマオや、VWのタイゴ/ニーヴァスなどもエントリーされていたが、残念ながら日本ではほとんど知名度はないのが実情だ。
イアン・カラム氏や日本の中村史郎氏など、あらかじめ6名の著名なデザイナーによって候補が絞り込まれ、その中から部門賞が選ばれるシステムが採られたデザイン・オブ・ザ・イヤーに輝いたのも、またもやヒョンデのアイオニック6だった。その滑らかなルーフラインを特徴とするボディは、Cd値で0.21というエアロダイナミクスでも高性能さをアピールするもの。
EVの航続距離を伸ばすためには、空気抵抗を減少させることがいかに重要なのかを物語る、そしてそれを見事に具現化した例として、アイオニック6の美しさと優秀さが高く評価された結果だ。
ヒョンデ&ジェネシスのグローバルデザインセンターを率いるサンヤップ・リー氏が、パーソン・オブ・ザ・イヤーを受賞したことを含めると、2023年のWCOTYはまさに韓国車がその話題を独占したともいえる。
日本でもヒョンデの正規輸入が再開され、今後はWCOTYの受賞車であるアイオニック6の上陸にも期待がかかるだろう。
韓国車の進化は、驚くべき速さで進んでいたのだ。