「駐車違反」はひとつじゃない! 点数も罰則もさまざまな違反の総称だった

この記事をまとめると

■クルマの駐車関連の法律を紹介

■駐停車違反、放置駐車違反、無余地場所違反、時間制限駐車区間の違反、保管場所法違反を挙げた

■違反点数や反則金についても解説

駐車違反には細かい区分けがある!

 クルマは目的地に到着すれば止まるもの。むしろ多くのクルマは走行時間より駐車している時間のほうが長いはず。それゆえ、駐車禁止はもっとも身近な交通違反といえるだろう(令和2年中における車両等の道路交通法違反の取締り件数575万1798件のうち、駐(停)車違反は19万1127件)。

 その駐車違反だが、じつは意外に細かい区分けがあるので整理しておこう。

駐停車違反

 法律や標識で駐車が禁じられている場所に駐車したときの違反のことだが、警察官が車両の移動を命令したときに、すぐに対応できるのが駐停車違反の条件になる(駐停車禁止場所…違反点2点、普通車反則金12,000円、駐車禁止場所…違反点1点、反則金10,000円)。

放置駐車違反

 同じ駐停車禁止エリアでも、取り締まりにあったとき、運転者がクルマから離れていて、すぐにクルマを動かせないときは、放置駐車違反になる。一般的に駐車禁止違反と言われるのは、この放置駐車違反が大半(駐停車禁止場所…違反点3点、普通車反則金18,000円、駐車禁止場所…違反点2点、反則金15,000円)。

無余地場所違反

 正しい駐車方法であったとしても、駐車をした車両の右側の道路上に3.5メートル以上の余地が必要という法律があり、この余地が不足していると違反になる(違反点2点、普通車反則金15,000円)。

時間制限駐車区間の違反

 いわゆるパーキングメーター設置区間の違反のこと。

枠外駐車…違反点2点、普通車反則金15,000円。

枠外の駐停車禁止場所…違反点3点、普通車反則金18,000円。

時間超過…違反点1点、普通車反則金10,000円

保管場所法違反

 長時間駐車で、道路を車庫代わりに利用しているとみなされたときの違反。

 同じ場所に続けて12時間以上駐車した場合、日没から日の出まで道路の同じ場所に8時間以上駐車した場合などが相当する。

 保管場所法違反は、道路交通法の違反ではなく、名称通り保管場所法の違反になる。

 大きな違いは2点あり、ひとつは駐車禁止となっていない場所であったとしても、長時間クルマを止めて道路を専有していると、保管場所法違反になる可能性があること。

 もうひとつは、反則金が適用されないため、刑事処分=前科が付くということ!

 保管場所法違反の罰則は二種類あり、日常的に道路をクルマの保管場所として使用していたとみなされた場合(道路使用)は、違反点数3点、3カ月以下の懲役又は20万円以下の罰金。

 日常的ではないにせよ、長時間駐車していた場合は、違反点数2点、20万円以下の罰金。

「コインパーキングが満車だった」「短時間だから」「小銭がないから」などの理由で、ついつい路上駐車をしてしまうケースも少なくないかもしれないが、仕事熱心な民間の駐車監視員も多い昨今、駐車違反を軽く見て、大きなペナルティをもらうのは馬鹿馬鹿しいこと。

 少々手間とコストがかかったとしても、正々堂々と止められる、合法的な駐車をいつも心がけるようにしよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報