この記事をまとめると
■2023年3月の新車販売台数ランキングが発表された
■トップはホンダN-BOX
■多くのトヨタ車が上位にランクインした
ホンダが販売した新車の約4割がN-BOX
自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車のそれぞれ2023年3月単月の車名(通称名)別となる新車販売台数ランキングが発表された。ただし、販売台数といっても、いまは納期遅延も目立つ非常事態。3月の販売台数とはなるものの、3月までに受注しても、納車ができなかった受注残車両を何台消化したかというものを表しているといってもいいだろう。
登録車と軽自動車を合算した(含軽統計)ランキングを作ると、販売台数トップはホンダN-BOXで2万7811台となった。この販売台数は2022年3月比で約108%、2021年3月比で約102%、2020年3月比で約125%、2019年比で約105%、2018年比で約103%と、過去5年間と比較しても100%超えとなっているので、コロナ禍を経て完全復活しているようにも見える。軽自動車のみのランキングで2位のスズキ・スペーシアに対して約1.2万台、登録車トップにして最大のライバルとなるトヨタ・ヤリスに約5000台差をつけ、強さを見せているが、それを単純にすごいことと喜んでばかりもいられない。
2019年から2023年までの3月単月のホンダ全体(軽も含む)の新車販売台数に対する軽自動車販売比率をみると、2019年3月こそ50%を下まわっているが、2020年以降は50%を超えている。つまり、ホンダにおける主力販売となる四輪車は軽自動車なのである。さらにホンダ全体の四輪車販売台数におけるN-BOXの販売比率をみると、2021年に初めて30%を超え、2023年3月はついに30%台後半となる約38%に突入した。つまり、2023年3月にホンダで販売した新車の4割近くがN-BOXとなっているのである。
ホンダにおいて、とくにN-BOXの在庫車が多く即納できる車両に困らないなど、供給体制がとくに良好というわけでもない。単純にN-BOXに頼り切った新車販売がコロナ禍となってからより顕著となっているように見える。折しも、ネットではオデッセイが中国製となって復活するというニュースが話題になっている。クルマ好きの間では「今後ホンダが国内生産するのはN-BOXのみになるのではないか」といった話まで出ている。筆者はN-BOXが売れているということよりも、統計上N-BOXが売れすぎていることに一抹の不安を覚えている。納期もあるのかもしれないが、ホンダにおけるN-BOX以外のモデルの販売台数はいまひとつパッとしないように見えるのは、それだけN-BOX販売に力を注いだ結果なのかもしれない。