この記事をまとめると
■クリーンディーゼルにはメリットが多い
■しかしススの発生は避けられない
■対策としては時々高回転まで回す、長距離移動をすることなどが挙げられる
ディーゼルエンジン特有のススの詰まりを解消するには?
以前は黒煙モクモクで悪者扱いだったディーゼルも、クリーンディーゼルが普及してから日本でも抵抗はなくなっていて、マツダは看板技術として積極的に搭載している。燃費もいいし、燃料費も抑えられる。さらに力強いなど、メリットも多いので、乗っている人も多いだろう。
ただ、このクリーンディーゼル、注意しなければならない点があって、それがやはりススだ。最近、修理工場に行くとよく見るのが、DPFなどの詰まり。DPFとはクリーンディーゼルのキモで、ディーゼル・パティキュレート・フィルターの略。パティキュレートとはお馴染みのPM2.5のPと同じで、微小粒子状物質のこと。DPFは日本語にすると、ディーゼルから出る微小粒子状物質を取るフィルターとなる。
マフラーから黒煙が出なくなったと言っても、ディーゼルの仕組み上、エンジンからは出ているし、ディーゼル用オイルに含まれる硝酸灰分と呼ばれる成分が燃えてできるアッシュと呼ばれるオイルの燃えカスなどをDPFでキャッチしているのでどうしても詰まりは出てしまう。
ちなみにクリーンディーゼルには専用オイルを使うが、硝酸灰分の量を少なくしているだけで、清浄性の問題もあってゼロにはできていない。
詰まりを除去するために強制再生という機能が付いていて自動で焼き切ってくれるのだが、じつはアッシュは除去できないので、徐々に溜まっていく。そうなるとDPFの強制再生の間隔が短くなったり、燃費やパワーが落ちてしまうことになる。エンジン自体も5万kmを過ぎるとポートなどがススだらけのことも多い。
最終的にはDPFを外して詰まりを取り除くしかないし、エンジンも排気系を分解して、洗浄するしかない。最近ではドライアイスを使った洗浄方法も出てきていたりする。
これはディーゼル車の宿命でもあるので、メーカーの姿勢がうんぬんではない。ディーゼルを買うときは将来的なランニングコストとして今回取り上げた点を織り込んでおいたほうがいいということ。実際の例を見るとトヨタや三菱よりもマツダのクリーンディーゼルでの事例が多いが、こちらはメーカーの考え方の違いで、マツダのディーゼルは排ガス中の有害成分を抑えるために圧縮比を低くしていて、その分、ススが出やすくなっているから。
できるだけススを抑えるには、意識して時折、高回転まで回したり、高速道路を長距離移動するのが効果的だ。