スーパーカーより凄いハイパーカーより上のメガカーって何? 「ハイパフォーマンス車」のインフレが止まらない事態になっていた (2/2ページ)

メガカーを超えるモデルに与えられる呼称も誕生するかもしれない

 1999年に発表されたパガーニ・ゾンダや、それに続いて2000年に登場したケーニグゼグCC8Sも、大きな話題を呼んだハイパーカーの例といえる。

 前者はランボルギーニの契約デザイナーであり、カウンタック・アニバーサリーなどの作品を残したオラチオ・パガーニが独立後にパガーニ・ブランドで生産したファーストモデル。その芸術的なフォルムとメルセデスAMG社から供給を受けたV型12気筒エンジンの組み合わせが世界のスーパーリッチに好評を博し、約3億円という新車価格にもかかわらず、販売は非常に良好に推移した。

 ケーニグゼグも同様で、スウェーデンで生まれたハイパーカーらしく、運動性能のほかにスカンジナビアンデザインを採り入れた、機能的で美しいインテリアなども大きな話題となった。

 そしてこの両車に刺激されるかのように、ブガッティは1001馬力の最高出力とオーバー400km/hの最高速を誇るヴェイロンを市場に投入。ハイパーカー戦争は、いよいよメジャーブランド巻き込んだ時代を迎えることになる。

 現在、とくに耳にすることも多くなったメガカーは、このハイパーカーよりもさらに強力なパワーユニットを搭載するモデルたちのことを意味している。

 最初にメガカーというカテゴリーを確立したのはケーニグゼグで、これはエンジンの最高出力が1MW(メガワット)=約1341馬力を超えたモデルに与えられる称号。ケーニグゼグは2014年のジュネーブショーで発表したOne:1で最高出力1360馬力を達成した5リッターV型8気筒ツインターボエンジンの搭載に成功。最高速で440km/hを可能にするとされたこのモデルは、わずかに6台のみがカスタマーにデリバリーされた。

 スーパーカー、ハイパーカー、そしてメガカー。技術の進歩とともにこれまで進化を続けてきたスポーツカーの頂点を極めたモデルたちは、電動化の動きが進むなかでこれからどのような姿、スペックへと変化していくのだろうか。

 我々はいま、もしかするとそれが現実になる瞬間を見届けるという、もっとも楽しい時代を生きているのかもしれない。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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