この記事をまとめると
■1970年代半ばに「スーパーカー」というカテゴリーが日本から生まれた
■スーパーカーよりもさらに高性能で希少性の高いモデルを「ハイパーカー」と呼ぶ
■現在、最高出力1000馬力超のスーパーカーは「メガカー」と呼ばれている
スーパーカーに明確な定義はない
スーパーカー、ハイパーカー、メガカー。いわゆる超高性能車を例える言葉にはさまざまな呼び方がある。そのなかでもっとも身近なものといえば、日本から生まれた言葉ともいえるスーパーカー。何をもってスーパーカーというのかはいつになっても結論の出ない問題だが、1970年代半ばのスーパーカーブームのときには、あの「サーキットの狼」に登場したモデルはスーパーカーとして認められていたような記憶がある。
そのなかでV型12気筒エンジンをミッドシップするモデルであるとか、最高出力がどれだけ必要であるとか、最高速や姿カタチの美しさによって、人それぞれが自由にスーパーカーとは何を条件とするのかの定義を決めていたように思う。
現在ではこのスーパーカーのさらに上にランクされるハイパーカーも同様に明確な定義はない。あるとすれば、これまでのスーパーカー群を圧倒する動力性能と運動性能を持ち、またレーシングカーのそれにも似た個性的で美しいボディデザインと高価な価格。そして何より発表時点ではすでにそれが完売されているという少量生産体制による希少性があるということだろうか。
その概念が初めて採り入れられたハイパーカーは、やはり1993年から1998年の間に64台のロードモデルが生産されたマクラーレンF1ではないだろうか。
この頃はまだハイパーカーという言葉は存在しなかったと記憶するが、627馬力の最高出力を誇る当時のBMWモータースポーツ社製による6リッター V型12気筒エンジンをミッドシップに搭載し、さらに世界初となるカーボンファイバー製のシャシーを採用。最高速は正式には386.4km/hと発表され、価格も堂々の1億円以上という設定だった。マクラーレンF1は、スーパーカーの常識を何もかも打ち破ったモデルだったのだ。