「高速道路が怖い」という人にはふたつのタイプがある
苦手なシーンその3は高速道路です。高速道路が怖いという人には大きく分けてふたつのタイプがあり、ひとつは最初の合流が怖いという人。首都高速道路のように、料金所から本線への合流までの距離が短いところや、後続車がよく見えないような場所はとくに、怖いと感じることが多いと思います。なので、最初は都心部ではなく東名高速道路のように、入り口から本線合流までにたっぷりと助走区間がある高速道路から練習してみましょう。
合流が怖いと感じる人は、本線にたどり着く前にしっかりと加速できていないことが多いです。上り坂になっているところがほとんどなので、自分が思っている以上にグッとアクセルペダルを踏み込まないと、本線を走行してくる車両の流れにスムースに混ざれません。ただし、アクセルをしっかりと踏みつつも、本線を走行してくる車両のどこに入るのかを見極めることも大切です。このときにスムースに入るコツは、自分よりも後ろからやってくる本線の車両の「前」に入ろうとするのではなく、それをやり過ごして「後ろ」についていくつもりで合流すると、うまくいくことが多いと思います。
そして、高速道路が苦手な人のもうひとつのタイプは、スピードを出すのが怖いという人。単純に速いのが怖い人もいれば、長時間アクセルペダルを一定の力で踏み続けることが難しく、気づかないうちに思った以上の速度が出てしまっている人もいます。
前者の場合には、のんびり走る「仲間」を見つけましょう。高速道路はビュンビュン飛ばす人ばかりが走っているわけではないので、左車線でゆっくり走っている車両を見つけたら、適切な車間距離をとりながら同じペースでついていけば、急いでいる人は勝手に抜いて行ってくれます。もしなかなか「仲間」が見つからない場合には、こまめにミラーで周囲の状況を確認しつつ、自分のペースで走る練習をするといいでしょう。
後者の場合は、クルーズコントロールを使う練習をしてみましょう。ACC(アダプティブクルーズコントロール)があれば、アクセルペダルから足を離しても、前走車との車間距離を保って追従走行してくれます。速度設定のみのクルーズコントロールでも、前走車に近づきすぎないように注意して使うと、速度を一定に保ちやすくなり、疲労感が軽減されることもあると思います。
苦手なシーンその4は駐車(バックでの車庫入れ)です。この練習は、昔はとにかく何度も実践あるのみ、というスパルタな感じでしたが、最近は便利なものが登場しました。それが、車庫入れの練習ができるスマホアプリです。車庫入れが苦手な人は、そもそもクルマがどう動けば白線の中に収まるのか、イメージできていないことが多いと思います。
動きがわからないのに、手と足を使ってクルマを動かせというのは無理な話。実践となると周囲の安全確認をしながらの練習になるのでリスクも大きくなってしまいます。そこでまずは、アプリで頭の中に車庫入れの一連の動きをイメージし、何度も何度も動かして最後は何も見なくても車庫入れが完了するくらいまで思い描けるように練習しましょう。
それができたら、いよいよ実践です。自宅でもいいですが、可能ならなるべく広くて、ほかの車両や歩行者がいない駐車場を選びましょう。入れたい駐車枠に対して、最初にどの向きで進み、どの角度で停車すればいいのか。そこから、ハンドルをどちらにまわして駐車枠にバックするのか。サイドミラー、バックミラーでの安全確認をしつつ、ゆっくりでいいのでイメージと同じように操作してみましょう。
このとき、アクセルペダルは踏まず、ブレーキペダルに足を乗せたまま少しずつ力を抜いていくと車両が動き出す「クリープ」を使います。危ないと思ったらすぐにブレーキを踏んで停止しましょう。途中で操作がわからなくなった時にも無理せず、一度停止して再度、イメージしてから操作を確認。繰り返すうちに、順番がわかるようになると思います。
ということで、苦手なシーン別におすすめの練習方法をご紹介しました。最初から運転が上手な人、得意な人というのはそれほどいませんので、安全第一で練習あるのみ。克服できる日を信じてがんばりましょう。