300km/hと302km/hの争いに少年達は歓喜! 夢のない話で恐縮ですが「ランボルギーニ・カウンタックLP400」と「フェラーリ365GT4BB」はホントにそんなに速かった? (2/2ページ)

実際は空力的にもスペック的にも300km/h超を出すのは難しい

 それでははたして実際に、この2台はそれほどの最高速を可能にしたのか。筆者自身は365GT4BBの最高速にチャレンジした経験は残念ながらないが、一方のカウンタックLP400では、谷田部の高速周回路でそれを試したことがある。このとき実際に記録された数字は260km/h前後だったと記憶しているが、これはエンジンルーム内のエアロダイアミクスの影響で、ここまでの速度域になると車体の安定性が大きく損なわれたことが直接の理由だった。

 参考までにこのカウンタックLP400がミッドに搭載していたエンジンは4リッターのV型12気筒DOHC24バルブエンジンで最高出力は375馬力。300km/hの壁に挑むには、このスペックではやや物足りなかったことも事実だった。

 一方のフェラーリ365GTB4BBはどうか。こちらは4.4リッター仕様のV型12気筒24バルブエンジンで380馬力の最高出力であるから、性能面ではカウンタックLP400のそれと大きく変わるところはない。

 最高速の決め手となるのは、かたやベルトーネ(マルッチェロ・ガンディーニ)による前衛的なデザインを得たカウンタックと、かたやピニンファリーナ(レオナルド・フィオラバンティ)による流麗なシルエットを持つボディの空力の優劣ということになるだろう。

 外誌のテストによれば、365GTB4BBの最高速はやはり280km/h前後というデータが多く得られている。

 カウンタックも365GTB4BBも、残念ながらよほどベストな条件が揃わなければ300km/hの壁を超えることはできなかったというのが実際のところだったのだろう。

 だが、スーパーカーというものはそれでもよいのだと個人的には思う。いまやスーパーカーを超えたハイパーカーの世界では、オーバー400km/hの最高速がスペックシートに掲げられることも珍しくなく、そのいくつかは最新の設備によって実測されてもいる。自動車の最高速戦争、それはこれからもカーマニアの心を刺激して止まないのだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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