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ドイツの「鶴の一声」でエンジン車がOKに! まったく予測不能なカーボンニュートラルへの道 (1/2ページ)

ドイツの「鶴の一声」でエンジン車がOKに! まったく予測不能なカーボンニュートラルへの道

この記事をまとめると

■EUが自動車に対するCO2規制について事実上、軌道修正

■ドイツの「2035年以降もe-フューエルの利用を認めるべき」という要請が受け入れられた

■自動車産業の未来は現時点で「不透明」だと言わざるを得ない

2035年以降もe-フューエルの利用が認められる!?

 いったい、欧州は今、どうなっているのか?

 欧州連合(EU)が自動車に対するCO2規制について事実上、軌道修正した。

 まずは、これまでの流れを整理しておく。対象となっているのは、EUが2019年に打ち出した欧州グリーンディール政策における、政策パッケージ「Fit for 55」だ。

 Fit for 55では、輸送分野について、乗用車は2030年までに欧州域内で販売する新車のCO2排出量を1990年比で55%削減を規定した。

 その先として、2035年には乗用車と小型バン(商用車)で同100%減としている。同100%減というのは事実上、EV(電気自動車)または燃料電池車を指し、ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車は含まないことになる。

 これに対して、欧州議会でFit for 55の承認に関する投票が行われ、賛成多数で可決されたあと、ドイツが「2035年以降もe-フューエルの利用を認めるべき」と要請を出した。

 その要請をEUが受け入れ、今後はドイツの要請を含めた内容で規定策定の手続きを進めるとしたのだ。

 こうした、議会の全体投票で決まったものが、ドイツ一国の要請で覆ってしまうことが可能である、という欧州議会の仕組み自体に違和感を持つ人が、日本のみならず世界各地で少なくないだろう。

 それにしても、どうしてEUは、ここまで急激なEVシフトを推奨しているのか?

 背景にあるのは、いわゆる「グリーン産業」におけるグローバルでの主導権争いだ。言い換えると、投資の呼び込みだ。

 欧州グリーンディール政策は、環境対応という名のもとの産業競争力強化政策なのだ。

 これは、日本の岸田政権が閣議決定した「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」も基本的には同じことだと言えるだろう。

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