この記事をまとめると
■ミニパトの定義や役割について解説
■正式には「小型警ら車」で、排気量は660~1500cc
■巡回パトロールや交通事故の処理、交通取締を担当
コンパクトカーや軽自動車が採用されている
街で見かける白黒二色のパトカーには大きく分けて二種類ある。
ひとつはクラウンに代表される排気量2500~3000ccのセダンタイプ。こちらは正式には「無線警ら車」あるいは「交通取締用四輪車」と呼ばれるもの。
もうひとつはいわゆるミニパト。
正式には「小型警ら車」のことで、排気量は660~1500cc。5ナンバーサイズに収まるのがひとつの基本。
車種としては、トヨタ・プラッツ、スズキ・スイフト、スズキ・ソリオ、トヨタ・パッソ、ダイハツ・アトレーなどコンパクトカーや軽自動車が採用されている。
こうした小型警ら車=ミニパトの役割だが、愛知県警の資料には次のようにある(※小型警ら車運用要領に「小型警ら車(以下ミニパトカーという)」と記されているので、小型警ら車=ミニパトカーで間違いない)。
配置の基準
ミニパトカーは、次に掲げる駐在所又は交番に配置するものとする。
(1)本署からの距離が遠く、かつ、広い所管区を担当する駐在所
(2)山間、へき地で交通不便な地域の駐在所
(3)その他警察活動上特にミニパトカーを必要とする駐在所又は交番
ミニパトカーを配置する所管区は、警察本部長が指定する。
運用の基本
ミニパトカーは、原則として当該所管区内で次に掲げるいずれかの地域警察活動において使用するものとする。
(1)緊急事案の処理
(2)交通指導取締り
(3)広報活動
要するに地域の巡回パトロールや交通事故の処理、交通取締を担当するわけだが、ミニパトは原則としてサイレンを鳴らした緊急走行をすることはない。
というのもミニパトとクラウンなどのパトカーでは、乗車する警察官の資格がそもそも違うから。
パトカーを運転するためには、一般の運転免許証の他に、警察部内で実施される、自動車運転技能検定に合格しなければならない決まりがある。
警視庁の場合、この自動車運転技能検定は二段階あり、サイレンを鳴らした緊急走行が許されるパトカーに乗るには、約10日間にわたる「パトカー乗務員養成専科」の研修を受けて、検定に合格した人がもらえる「普通技能検定A級」が必要。
そして緊急走行がNGのミニパトなどを運転する人にも「普通技能検定B級」が求められている。
緊急時に限り、上長の許可があれば、「普通技能検定B級」の警察官でも、フルサイズのパトカーを運転していいことになっているが、ミニパトがサイレンを鳴らして緊急走行するケースは基本的にない。
だったら、交通違反を犯しても、ミニパトに追いかけられることはない? と思うかもしれないが、ミニパトの運用項目に「交通指導取締」が入っているし、巡回中の警察官は、自転車に乗っていても、徒歩で移動中でも、交通違反のキップを切るときがあるので、交通法規は守ること(ミニパト云々はもちろん、警察官がそばにいる・いないにかかわらず、ルールとマナーは大切に)。