「査定額は0円ですが2万円で引き取ります」はダマされてる可能性! クルマを下取りに出す際は「明細」の確認が重要だった (2/2ページ)

複数店舗で買取価格を確認して少しでも高く売るべし

 自動車リサイクル法公布以降、下取り車を解体扱いではなく、転売目的扱いでディーラーが引き取るようにして、お客にリサイクル料金を戻すのが商慣行として定着するようになったので、解体業者の間では、中古車オークションで解体したいクルマを買ってくるということも珍しくないとも聞いたことがある。

 また、かつては初度登録から10年以上経った車両や、10万km以上の過走行車は詳細を見ないで数万円の値付けをして引き取っていたのだが、とくにSUVなど海外へ中古車として輸出されるのに人気の高いカテゴリーでは数十万円という値付けとなることもあるので、慎重に値付けを行っているようである。

 下取り査定よりも、市場相場を意識して値付けをする買い取り専業店のほうが、クロスオーバーSUVやミニバンなど、国内外ともに人気の高い車種は高値での売却が期待できるが、購入予定の新車の車両本体価格からの値引き条件のアップは、下取り車の有無が握っているので、損得勘定は慎重に判断してもらいたい。

 ただし、今後は下取り査定額のどんぶり勘定化は収束していきそうだ。ただでさえコロナ禍前より、新車ディーラーであるにも関わらず新車販売による利益だけでは食べていけない状況になっていた。そこへ今回の部材費や物流経費の負担増が追い打ちをかけ、新車販売による利益は減る一方ともいわれている。

 メーカーによっては系列ディーラーに対し「新車販売に頼らない収益体質」というのを求めているとも聞く。そこで、ディーラーは下取り車を中古車として販売して利益をしっかり出そうとしてきている。

 おおむね下取り車として引き取った車両で再版可能な場合は自メーカー系オークションネットワークがあればそこで転売していたが、最近はより良質な中古車は自社で販売する傾向も強まっている。こうなってくると、「新車を売りたいから」と採算度外視で下取り車価格を上乗せすることは控えてくるだろう。

 今後は商談を進めていくなかで、「下取り車価格が伸び悩んでいるなぁ」と感じたら、買い取り専業店をまわって売却先の比較検討を行うことも新車購入では大切になってくるものと考えている。

 どこに乗っていた愛車を処分するにしても、査定価格の詳細の確認を怠らないでもらいたい。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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