デリカミニに乗って「売れる」と確信! 「カリスマ」で欧州を走っていたクルマ好き新副社長が目指す10万台という目標 (2/2ページ)

見た目も走りもリセールバリューもデリカの伝統を受け継ぎたい

 このようにドライビングの楽しさにも理解のある中村さんですが、じつは三菱自動車のプロパーでありません。同じグループの三菱商事において執行役員まで務めた人物です。こう記すと、まるで天下りのような印象を受けるかもしれませんが、さにあらず。

 三菱商事ではずっと自動車畑だったそうで、最後の肩書も自動車事業本部長というものでした。

 しかもプライベートでもかなりのクルマ好き。学生時代にはウインタースポーツやマリンスポーツを楽しむためのギアとして、ピックアップトラックに乗っていたということですが、御年60歳の中村さんの学生時代というと1980年代前半。当時、趣味車にピックアップトラックを選ぶというのは、かなりのクルマ好きだったことがわかります。

 商社マン時代には、20代で欧州に赴任、三菱車の販路を拡大する最前線にいたといいます。ちょうど1990年代で三菱がWRCで活躍して、欧州でのプレゼンスを高めていた時代を、まさに肌で感じてきた経験を持っているわけです。

 当時の思い出を伺えば「当社のカリスマというクルマを運転して東欧圏をまわっていたものです。あのころの東欧圏といえば、トラバントがゆっくり走っているのが日常でした。荒れた道でトラバントを追い越すときに感じたカリスマの安定性が印象に残っています」と、欧州でのエピソードを教えてくれました。

 三菱自動車の国内販売は、国内メーカーのなかで最下位となっています。営業担当副社長として、「まずは年間10万台を売りたい」という中村さんですが、「だからといって値引きで拡販することはしたくない」といいます。ブランドとしての独自性を確立させ、安定した販売を目指すというのが、方針といえます。

 そのポイントとなる要素のひとつとして中村さんが挙げるのは、リセールバリューです。「おかげさまでデリカD:5は高いリセールバリューを維持しています。デリカミニにおいてもリセールバリューという点でデリカの伝統を受け継ぐことを目指します」ということでした。リセールバリューが高いというのはユーザーにとっても大きなメリットであることは言うまでもありません。

 かっこかわいいルックス、デリカの名前にふさわしい4WDの走り、そして高いリセールバリューが備わっているとなればデリカミニを選ばない理由はありません。

 現時点では4WDの走りについて実際には確認できていませんし、リセールバリューについても未知数ですが、正式発売後にはそうした部分について注目していくことで、デリカミニの商品力が判断できるといえそうです。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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